考えてますか その3
いろんな悩みの根源をたどって行くと、人生は一回限り、死んだらそこでおしまい、という考え方に行き着きます。
たった一回の限られた人生なのに、どうして自分はこうなのか、何故ここでこんな風に生きているのか、本当ならこんな感じに生まれたかったのに、などと考えるわけです。
誰かと自分を比べて、いいとか悪いとか考えてしまいます。
何でも損か得かで、判断したくなってしまいます。
お金持ちがよくて、貧乏は悪いように見えてしまいます。
みんなの注目を集められる人はよくて、誰にも注目されない人は、大したことがないと思ってしまいます。
子供のうちに死んでしまうと、生まれた意味がないと受け止めてしまいます。
正直でお金が稼げないよりも、人を騙してでもお金を稼ごうと考える人も出て来ます。
自分が置かれた状況が不満で、人を傷つけたり、犯罪に手を染める人も現れます。
ばれなければいい、法に触れなければ構わないと、勝手な理屈で悪いことをする人もいます。
一回こっきりの人生で、損をしたくないと思うから、いろんな問題が生まれて来るのです。
そもそも何が得で何が損かという基準も、世の中に広まっている価値観で決まるので、絶対的なものではありません。
しかし、その価値観が選択されるのも、根底には人生は一回限りだから、という考えがあるのです。
でも、考えてみて下さい。
人生は一回限りって、誰が決めたのでしょうか。
恐らく、人が死ぬという事実をとらえて、死んだらおしまいだと、考えるようになったのでしょう。
しかし、これは肉体にだけとらわれた見方です。
唯物主義にとらわれて、心を軽視しているから、このような考え方が、自然の摂理であるかのように信じられてしまうのです。
もし、本当にそうであるのなら、幽霊というものは、存在しないでしょう。
そもそも本当に物質しか存在しないのであれば、心自体が存在しないことになってしまいます。
とても大切なことなのに、頭の偏った学者に任せていたのでは、本当の理解は得られませんし、結果的にみんなが苦しい人生を送ることになるのです。
心は物ではありませんし、幽霊は実際に存在します。
そして、この事実を真剣に考えるならば、肉体は死んでも、心が消滅するわけではないだろう、と見ることはできるでしょう。
死んだらそれでおしまいというわけではないのです。
そうなると、そのあとはどうなるのだろうとか、生まれる前はどうだったのか、と考えたくなると思います。
前世の記憶を持つ人がいますが、前世があるということは、今の人生は前世から見れば、来世になるわけです。
生まれる前も後もあるのなら、人間は死んでは生まれるの繰り返しと、考えることができるでしょう。
それは多くの人生を経験するということであり、決して人生は一回限りでは、ないということになります。
とは言っても、今の人生は他の人生とは違うわけで、そういう意味では一回限りです。
それでも、数ある人生の中の一つという意味であり、特別な人生ということです。
どんなに大変に見えたとしても、そこには必ず価値があるわけです。
とにかく、世の中に広まっているような、自分なんかと思いたくなるような、刹那的な人生観は、正しい見方ではありません。
自分の人生の価値は、自分にしかわかりませんし、それを理解するためには、考える必要があるのです。
人生なんて、みんなこんなものだと、思い込まされないで、どうか考えてみて下さい。
必ず今の自分を、もっと楽しみたくなるでしょう。