荒れ狂う世界 その1
中国全土で習近平や共産党に対する、民衆の抗議デモが広がっています。
こんなことは、これまでなかったことです。
ゼロコロナ対策によって、自由を奪われ続けた人々の怒りが、爆発した形での抗議ですが、誰かが煽動しているのではなく、自然発生的に生じたというところが、共産党政府にとっては厄介なことでしょう。
煽動者がいるのであれば、その人物を捕まえればいいわけですが、特に煽動者がいないのであれば、対処の仕方がむずかしいと思われます。
人々の話によく耳を傾けて、みんなの不満を解決しない限り、この抗議デモは収まらないでしょう。
天安門事件や香港民主化運動の弾圧のように、力尽くで押さえ込むようなことをすれば、火に油を注ぐことになります。
しかし、民衆の要望に素直に応じて、これまでの政策を変えるということは、政府のメンツを潰すことにつながるかもしれません。
民衆はデモをすれば要望が受け入れられると知れば、今後も不満が出るたびに、大々的なデモを繰り返すはずです。
始めから人々の声に耳を傾ける政治であれば、デモなど起こるはずがないのですが、上で決めたことを無理やり人々に押しつける形の政治では、デモは避けられないでしょう。
これまで中国では様々な形で、デモが起こらないように押さえ込み、起こったとしても、それが大きな問題につながらないように、対処して来たようです。
それで表面的には、中国は広い国をうまく統制しているように、見せて来ましたが、事実はそうではなかったということが、今回のことで露呈したということでしょう。
日本と違って、中国でデモに参加するのは、命懸けだと聞いています。
それなのに、これほどのデモが広がるのは、人々がそれだけ必死ということです。
人間は自然と区別されがちですが、人間は自然の一部であり、地球の一部です。
そして、自然や地球というものは、エネルギーの塊なのです。
つまり、人間も見方を変えればエネルギーであり、人々の心が抱えている様々な思いは、エネルギーの活動そのものなのです。
そして、今の中国で起こっているのは、中国に暮らす人々のエネルギーが、大きくうねり出したということです。
それは小手先で抑えきれるものではありません。
長い間爆発をしていない火山の下に、知らない間に大量のマグマが、溜まりに溜まっている状況と同じです。
今は大噴火の前触れの状態でしょう。
中国という山が噴火することはないと、見栄を張っていると、どうなるか。
その結果は、いずれわかることでしょう。
ただ、中国だけの問題ではありません。
地球全体の問題であり、人類全体の問題なのです。
つまり、人間が本来の姿に、戻ろうとしているのです。
本来とは異なる状態に、押し込められていた人々が、ついに殻を突き破って、自然な人間の姿に戻ろうとしているのです。