脳と心 その2
私たちの体は物質でできています。
地球が生まれ、そこに様々な生物が生まれ、やがて人間が生まれました。
全ては、地球に存在している物質で、構成されています。
姿形は違えど、みんな地球を母とする兄弟です。
その中の、我々人間に心があるのならば、他の地球の兄弟たちにも、心があると考えるのは、自然なことでしょう。
何故、科学が心を否定しがちになるのか。
それは科学が産声を上げた中世のヨーロッパで、宗教指導者たちから弾圧を受けたからでしょう。
それで、科学者たちは宗教に対して、とても強い警戒感を抱いたと思われます。
心に関することは、宗教で取り上げられることが多いので、それで科学では研究の対象としない学者が多いのだと思います。
また、心を研究する人でも、どうしても脳と関連付け、脳の活動に付随した現象のように、説明しようとするので、心の本質が見えて来ません。
脳は、他の体の部分と同じで、細胞の集まりです。
心と関係はしているものの、元を正せば、受精卵が分裂してできた細胞に過ぎません。
他の内臓や、筋肉や皮膚などの細胞と、本質的には同じです。
決して特別なものではないのです。
脳が活動をする時、脳を構成している神経細胞が、互いにつながり合った他の神経細胞たちと、興奮を伝え合っています。
でも、一つ一つの神経細胞が、何かを考えて活動しているわけではありません。
何かの刺激があれば、それに応じて興奮しているだけなのです。
一つの神経細胞は、体が置かれた状況が、どのようなものであるかを、知る由がありません。
神経細胞が無秩序に活動すればどうなるでしょう。
それは、てんかんとして知られる症状として表れます。
本人意思とは関係なく、体が痙攣したり、動けなくなったりします。
また、思考活動もできなくなってしまいます。
私たちが日常行っている思考や行動は、秩序立った神経細胞の活動があるからこそ、成立するものです。
でも、それは神経細胞が勝手に行う活動では、生じ得ません。
そこには、神経細胞の活動を統括する、他の動きがあるのです。
そして、それこそが心なのです。