脳と心 その3

脳の神経活動が、心を創っているのだとすれば、脳がなくなれば心もなくなります。

水がなくなれば、水面に生じた波紋も、失われるのと同じです。

しかし、それでは幽霊の説明がつきません。

幽霊なんて、ただの迷信だとか、目の錯覚だとか、単なる思い込みだと言う人はいます。

でも、それは幽霊なんているわけがないと、初めから決めつけている人々の言い分です。

幽霊がいないと証明したわけではないのに、そんなのいるわけがないだろうと、決めてかかっているだけです。

確かに、何かを幽霊と見間違えるとか、怖い怖いと思う気持ちが、幽霊がいるように思わせるということはあるでしょう。

しかし、それは一つのケースであって、それで全てを説明するわけにはいきません。

全ての事例を研究して、全てが錯覚でしたと証明できたなら、幽霊なんて存在しないと言えますが、そうでない限りは、どんなに幽霊はいないと力説したところで、それはその人の推論に過ぎないのです。

幽霊の目撃は、何かの見間違いかもしれないという、可能性を残したものもあれば、明らかにそこに死んだはずの人がいた、という否定しがたいものもあります。

否定するとすれば、その話をする人を、信用できない人物だと決めつけるしかありません。

自分が信頼している人で、理知的で嘘を言う理由がない人が、幽霊を見たというのであれば、話を聞いた人は、幽霊の存在を否定することが、できなくなるでしょう。

幽霊の話は世界中にあります。

一つ一つの真偽はさておき、幽霊が存在するとすれば、それは脳がないのに、そこに意識あるいは心が存在している、という証明になるでしょう。

とすれば、普段肉体を伴って生きている、私たちの心だって、脳が創り出しているわけではないと、言えるのではないのでしょうか。

脳は確かに心と関係があるでしょう。

しかし、決して心は脳が創るのではなく、心が脳を利用しているのです。