あなたの視点 その2
何かをどう見るのか、どう判断するかということで、他人の視点を悪く受け止めることがあります。
そんなのは絶対におかしいとか、どうしてそう考えるのかと、文句を言いたくなることって、あるでしょう?
一方で、他の人たちと自分の考えが違っていると、自分に自信がなくなることもあると思います。
でも、そのどちらも正しいことではありません。
私たちが今の状況で判断することに、これが絶対に正しいと、言い切れるものはないのです。
ある人が、あることに何かの判断をした場合、それはその人が、その時点で身に着けている、知識や経験に基づいて判断しているのです。
それを全然別の立場や状況にいる人が、それはおかしいと言うことはできません。
その人は、やはり自分の知識と経験に基づいて、判断しているに過ぎないのです。
誰かのことを悪く思ったり、誰かを傷つけるようなことをする人も、その人なりの考えがあって、そのような行動を取ります。
その人も別の立場に立ち、別の視点を持ったなら、違う判断をするようになります。
問題なのは、その人の視点というよりも、自分の視点だけが正しいという考えで、判断してしまったということでしょう。
もちろん、それも一つの物の見方であり、考え方です。
つまり、それも一つの視点です。
でも、他の視点があるということを、受け入れたなら、視点を変えることができますので、考え方や判断が、それまでよりも幅のあるものになるのです。
自分自身が、今持っている考え方で苦しんでいるのなら、やはり違う考え、違う視点というものを、受け入れるようにすればいいでしょう。
決して自分を否定してはいけません。
自分は、ただ今の視点に立っているというだけのことです。
その視点に立つことが苦しいのは、一つの情報です。
ここは苦しいということがわかれば、他の視点に移動すればいいのです。
それで自分自身が変わるわけではありません。
視点が変わるだけのことです。
また、多くの視点を利用できるということを、理解することで、人間の幅が広くなります。
つまり、人間として大きく成長できるわけです。
それまで自分がとらえていた世界観が、全然違うものになるでしょう。
同じ世界にいるはずなのに、見えている風景は同じなのに、まるで自分が違う世界に入ったように思えます。
人生は学びです。
今の視点も学びの一つであり、どんなに苦しくても、価値があるものです。
また別の視点を知ることも、学びです。
ですから、視点を変えることに、何も躊躇する必要はありません。
自分のことにしても、他人のことにしても、ある視点における判断を、それだけでいいとか悪いとか、決めつけないことです。
大切なのは、そういう見方があるのだということを知ることと、どうしてそのような見方が成立するのかと、その背景にあるものを理解することです。
それは他人のことばかりでなく、自分自身の物の見方に対しても、よく考えて理解してみるべきです。