幸せですか その7
自分という存在を考える時、自分ではない存在を無視することはできません。
自分ではない存在があるからこそ、自分という存在を認識することができるのです。
人は自分と他のものを、ただ区別するばかりで、その関係性に目を向けることは、ほとんどありません。
考えるのは自分のことばかりで、同じ人間同士であっても、他のものに思いを馳せることなど、滅多にないのです。
ましてや人間以外の存在など、それを利用する時以外は、全くと言っていいほど、眼中にありません。
しかし、人間は自分一人で生きているわけではありません。
親がなければ産まれてませんし、先祖がいなければ、今の自分は存在していません。
また、自分以外の多くの人の力があるから、その中で暮らしているのです。
人間社会の中で、他の人とのつながりを断って、孤立している人は、幸せを感じることができません。
一人でいても、他の人とのつながりを、感じられる人は、幸せを感じられます。
でも、本当に孤独な人が感じるのは、寂しさばかりです。
そんな人が、他の人とのつながりを取り戻せたなら、そこにとても深い幸せを感じるでしょう。
それは自分と他の人たちとのつながりを、実感できるからです。
そういう意味では、孤立はしていないけれど、他の人とのつながりを実感していない人は、一見幸せそうに見えたとしても、本当には幸せではありません。
人間は、自分と自然を切り離して考えがちですが、人間も自然の一部です。
地球が生まれる前は、人間は存在していませんでした。
地球の歴史の中で、他の存在たちと同じように、人間も生まれて来たのです。
いわば、地球は人間の母であり、他の存在たちは全て、人間の兄弟姉妹なのです。
人間同士のつながりを実感できた時に、深い幸せを感じることができるように、これらの兄弟姉妹や、母なる地球とのつながりを実感できれば、それはそれは深い幸せとなるでしょう。
地球や自然が大好きになり、自分がここに生まれて来たことに、深い感謝の念を抱くのです。
そうなれば、今の世の中で、人々に強いられている幸せが、どれほど薄っぺらで無意味であるかが、理解できると思います。
本当の幸せを知った人々が創る社会とは、まさに地上の楽園となるでしょう。