死を意識する その4
私たちは、生まれる前のことなど、何も覚えていません。
今の人生を、自分で選んで来たなんて、少しも知りません。
でも、それがこの世界の特徴なのです。
ですから、一度人生というゲームから離れた人が、もう一度挑戦しようとする時には、何も覚えていないという、この世界の特性を理解した上で、ゲームの設定を決めているはずです。
誰かとの出逢いで、あることに気づくようになっているとか、ある経験を元にして、こんな風に考えるようになるとか、自分の人生の至るところに、自分の知性を高めて、隠された秘宝を見つけ出せるように、いろいろと工夫しているのです。
どうして自分は、こんなひどい環境に生まれてしまったのかと、嘆きたくなる人は、少なくないと思います。
こんな家になんか、生まれたくなかった。
誰も産んでくれなんて、頼んでない。
どうして自分ばかりが、こんなにつらい目に遭うのか。
こんな風に考えたくなる人は、たくさんいると思いますが、それらの環境や状況を、自分で設定して生まれて来たと、考えてみたらどうでしょうか。
そんなことあるわけない。
そんなことが、できるはずがない。
いい加減なことを言うな。
と、言われてしまいそうですが、考えるだけなのですから、何も損はしません。
そんなことがないと言い切れるだけの、本当の根拠があるのなら別ですが、恐らく誰もそんな根拠を示すことは、できないでしょう。
ただ、自分が馴染んだ考え方と、大きく外れたことを言われるので、受け入れがたく感じるだけのことです。
でも、自分が馴染んだ考え方によって、自分が苦しんでいるのであれば、違った考え方を試してみるのも、一つの手ではないでしょうか。
とにかく一度考えてみて下さい。
考えたところで、痛くも痒くもありませんから。