あなたの花 その2
世の中は、人々に同じ花を咲かせることを、望みがちです。
日本人であれば日本人としての花を、アメリカ人であればアメリカ人としての花を、中国人であれば中国人としての花を、咲かせることを国民に求めます。
また、国民同士でもそれを互いに求め合う傾向があります。
それが、その国らしさを示すことになりますから、仕方がないことかもしれません。
しかし、人がどんな花を咲かせるのかは、その人自身に選択権や決定権があるのです。
他人が決めたり強制するものではありません。
日本人が日本人としての花を咲かせるならば、本人が日本人であることをよしとして、初めて咲かせることができるのです。
強制ではなく、本人の自由意志に基づいて、自然な形で咲くのです。
これを、お前は日本人だろうがと、日本人の花を咲かせることを強いられると、その人は花を咲かせることが、できなくなってしまいます。
これは国のことだけでなく、暮らしている地域でも言えることですし、性別や年齢、職場やサークル、家族など、あらゆることで言えます。
日本人として生まれ育ったはずなのに、中国に惹かれて仕方がないという人だっているのです。
逆に、イギリス人なのに、何だか知らないけれど、日本が大好きで、日本で暮らしているという人もいます。
体の性と心の性が異なる人もいます。
自分が男性なのか女性なのかも、よくわからないという人もいます。
みんなに合わせることができず、変わり者と言われる人もいます。
でも、それが自分であるのならば、その自分に忠実に生き、自分らしい花を咲かせるのが、人間として最も自然な状態です。
自然の花がそうであるように、人間も他人の目など気にすることなく、自分を存分に表現する花を咲かせればいいのです。
全ての人に認めてもらう必要はありません。
自然の花だって、人間に気づいてもらえない花がほとんどです。
人の目なんか関係ないのです。
そうは言っても、自分らしさの花を咲かせている人は、必ず誰かが見ているものです。
自分が見られていることに気がついていなくても、見る人は見るのです。
そして、その人の心にあなたの花は影響を与えます。
それが、あなたの花の種子です。
あなたの花の種子は、あなたが知らない所で、誰かの心の中で成長し、その人の花となって咲くのです。
もちろん、あなたの花と全く同じではなく、その人の心の中にある、他の花と混ざった形の花になります。
ある意味で、それは進化ですね。
あなた自身、多くの人の花の種子が、あなたの心で芽吹いて育ち、それらが混ざって、あなたの花を創っているのです。
いろんな人からもらった花の種子を育て、それらの花をあなたらしくまとめ上げて、あなた自身の花を咲かせるわけです。
まだ、自分の花を咲かせていないと思う人も、自分の中にある、いろんな人からもらった花の種子を、見つけることはできるでしょう。
これから、まだ新しい種子をもらうかもしれません。
そんな種子の様子を確かめたなら、自分の花がどんな花になるのかを、イメージすることができます。
まだ、今の状態では自分の好みの花にはならないと思うなら、好みの花を咲かせるように、新たな種子を自分からもらいに行きましょう。
今の自分が持っていない新しい種子を、すでに素敵な花を咲かせている人から、わけてもらうのです。
そうすれば、あなたの理想の花を咲かせることができるでしょう。