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人生の目的 その5

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この世界に生まれて来ることに、目的があると考えるなら、生まれて来る前にいた世界は、この世界とは様子が全然違うはずだと、わかると思います。

もし、生まれる前の世界が、この世界と同じであるのなら、わざわざこの世界に生まれて来る必要はありません。

この世界が存在しているということは、こことは全く違う世界が、あるということなのです。

では、そこはどのような世界でしょうか。

死んでみればわかるでしょうが、死んでしまうと人生も終わってしまうので、そこで理解ができても仕方がありません。

まだ人生を歩んでいる今、それを理解することが大切です。

もちろん、この世界にいるのですから、向こうの世界のことなど、直接的にはわかりません。

でも、推測したり想像したりすることはできます。

向こうの世界は、どのような所なのか。

それを知るためには、まずはこの世界の特徴を知ることが必要です。

何故なら、向こうの世界は、こちらの世界とは全く異なっているからです。


この世界の特徴として、まず挙げられるのは、自分と他のものが、明確に区別されているということです。

私たちは自分の体を持つことで、自分と他の存在を区別できます。

自分の感覚で、他の存在がどのようなものであるのかを、理解することができます。

でも、それは自分の体があるから、できることです。

体がなければ、自分と他の存在の区別は、曖昧になるでしょう。

そもそも姿がなく、心だけの存在となったなら、相手がどこにいるのか、わかりません。

そもそも相手というものが、理解できないかもしれません。

心と心の会話であれば、それは同じ心の中の、独り言かもしれないわけです。

また、この世界では、自分の思いもつかないようなものと出会ったり、全く考え方の違う人の存在を知ることができます。

時には、それが元で大きな争いになることもありますが、とにかく自分の心と波長の合わない存在を、この世界では知ることができるのです。

でも、心だけの存在になったなら、自分の波長に合うものとしか、意思疎通ができないでしょうし、それが本当に自分とは別の存在なのかは、知る由もありません。

自分と他の存在を区別できるのが、この世界の特徴ですが、同じように、自分ではない二つの存在を区別できるのも、この世界の特徴です。

だからこそ、私たちはこの世界に様々な存在を認めることができます。

もし、山と海の区別がつかなければ、私たちが知る世界は、今とは全然違うものになっているでしょう。

また、様々なものを区別できるということは、そこに大きさや距離などの、空間という概念が生まれます。

全てが区別できなければ、そこには空間としての概念は生まれません。

誰かのことを考えた時、その誰かの意識と自分の意識が即座につながったなら、相手が遠くにいるとは思わないでしょう。

と言うか、遠いという概念がありません。

いつでも必要な時に、必要なものとつながれるわけです。

つながるというのも、電話での会話とは違います。

空気を介して喋るのではないので、言語が存在しません。

互いの想いが、直接相手に伝わるのです。

ですから、言い間違いもなければ、誤解も生じません。

もちろん、嘘なんてつけません。

そんな世界の存在が、この世界に生まれて来たのだと、考えてみて下さい。

ありとあらゆるもの全てが、それまでの世界とは違います。

自分と他の区別に戸惑うでしょうし、空間の存在にも戸惑います。

何かを伝えたくても、言葉か動作にしなければ伝わりません。

それも瞬時に伝わるのではなく、順番に伝わるのです。

それに、言葉や動作では、本当の思いは正確には伝わりません。

それでも、それはとても刺激的で、何に対しても好奇心が惹かれます。

喜怒哀楽の全ての感情が、やはり新鮮であり、どれも貴重な体験です。

自分とは全く違う波長の存在を知るということも、驚きでしょう。

自分の体を使い、世界を体験するということは、それまでにない素晴らしいゲームであり、また自身の成長に、大きく貢献できる学校でもあるのです。

この世界でどんなにつらく大変な想いをしたとしても、向こうの世界からすれば、それも体験の一つであり、自分を成長させるための糧なのです。

そんな世界は、向こうの世界の存在からすれば、憧れるかもしれませんが、想像もできないような体験をすることに、躊躇することもあるでしょう。

今、この世界に生きている人は、どんな暮らしをしていたとしても、みんな勇者です。

この世界にチャレンジしようと飛び込んで来た、勇者なのです。

そのことを理解できれば、今の暮らしをどうするのか、これからどのようにするのかを、考える大きな力となるでしょう。

全てが曖昧な世界から、全てが分離された世界へ飛び込み、そこで改めて全ては一つなのだと知る。

このことこそが、人生というゲームの、最大の目的なのです。

この目的を達成できたなら、その人の意識は、このゲームに参加する前よりも、遙かに大きく拡張した意識となるでしょう。

それは、まさに意識の進化なのです。