自分だけの世界 その4
自分が立体スクリーンの、どの辺りにいるのかは、その時の感情が教えてくれます。
上の方に上がりたければ、まずは感情をコントロールする必要があります。
しかし、嫌なものは嫌だと思っていると、嫌なものに遭遇した時に、嫌だという感情に縛られてしまいます。
では、どうすればいいのでしょうか。
それは、自分が嫌だと思っているものに対して、何が嫌なのか、どうして嫌なのか、本当にそこには嫌と思う要素しかないのか、などという点について、深く吟味することです。
面倒臭がったり、向こうがよくないのに、どうして自分がそんなことをしないといけないのかと、反発心を持ったりすると、いつまで経っても嫌な感情から抜け出すことはできません。
何とかその場を切り抜けたとしても、似たような場面に遭遇してしまうと、またもや同じ嫌な想いに縛られてしまいます。
そして、嫌な想いを繰り返すうちに、あきらめ気分になってしまい、世界とは嫌なことばかりだと決めつけて、何もかもが嫌になってしまうでしょう。
だけど、どんなに絶望しても、誰も助けることはできません。
何故なら、自分の世界は自分自身で創り出しているからです。
世界を変えたければ、自分を変えろと言われますが、まさにそのとおりなのです。
自分の考え方、物事の受け止め方、その基準になる価値観を変えることができれば、世界は変わります。
それが困難な理由は、自分は間違っていない、自分は正しい、悪いのは自分じゃない、という思い込みです。
何が正しくて何が間違っているのか。
その判断は、物事をどの視点で眺めるかで違って来ます。
憎むべき敵だと思っていた相手にも、優しさがあり、大切にしている家族がいると知れば、その人への見方が変わって来るでしょう。
どうして、その人が嫌な態度を見せてしまうのか、本当はそんな態度を見せたくないのに、どうしてそうしてしまうのか。
その理由を知った時、あなたはその人を憎まなくなるかもしれません。
いずれにせよ、絶対的に正しいとか間違っているというものは、どこにも存在しません。
それなのに、自分は正しいと信じ込むのは、ある意味、とても傲慢なことです。
そこにこそ自分の苦しみの原因があるのだと、知らねばなりません。
それは自分で自分を否定するように思えてしまうので、とてもつらいことでしょう。
でも、本当の自分がどこにいるのかを理解すれば、自分が正当化しようとしている自分とは、単なる自分のアバターが持つ性格や考え方に過ぎないと、わかるはずです。
今の自分が本物の自分のアバターなのだとわかれば、そのアバターをどう変えるかは、自由自在です。
それによって、あなたにとっての現実世界は、居心地のいいものにも悪いものにもなるのです。