原爆の話 その1
毎年この時期になると、日本では広島や長崎に落とされた、原爆の話題になります。
悲劇を繰り返さないよう、この恐ろしい核兵器を、この世から消し去ろうという動きが活発になります。
確かに、原爆なんてない方がいいですよね。
戦争の抑止力があるという理由で、原爆を支持する人もいますが、単純な質問として、原爆があった方がいいかと訊ねられたら、全員がない方がいいと答えるでしょう。
つまり、原爆が残されているのは、戦争の危機から逃れたいという気持ちがあるからです。
核戦争になれば、地球がどういうことになるのかは、どこの国の指導者もわかっています。
ですから、どんなに多くの核兵器を持っていても、実際にそれを使うことはできません。
ただ、いざとなったらこれを使うからなと、今のロシアのように、相手を脅す道具として用いるだけです。
どちらに正義があるかに関係なく、一つ使えば、それでその国は滅亡するのは必至なのです。
そんな使えない、絵に描いた餅のような武器ならば、持っていても仕方ないと思うのですが、やはり最後の手段としてちらつかせることで、相手の攻撃をかわすことができるので、どうしても手放せないわけです。
原爆は恐ろしく危険なものだと、誰もが理解しています。
それで、原爆反対と声高に叫ぶ人が出て来るのですが、原爆を維持しようとする人たちには、彼らなりの理屈があるわけです。
そこから崩していかない限り、どんなに原爆反対を叫んでみたところで、原爆が放棄されることはないでしょう。
では、どうすればいいのでしょうか。
それは、互いに相手を敵国だと思わないようにすることです。
全ての国が友好国となったなら、原爆は自然と消えて行くでしょう。
原爆どころか、全ての軍隊が必要なくなり、あらゆる殺人兵器が放棄されるのです。
原爆に対して、反対を叫ぶことは大切です。
自分たちの意思を表明することだからです。
でも、そこばかりに集中していると、本当の問題が見えなくなってしまいます。
どうして原爆が生み出されることになったのか。
そこから考えていかなければ、本当の解決には結びつかないでしょう。