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科学と文学 その4

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文学の世界では、人間の愛憎劇がよく描かれます。

しかし、科学の世界では客観性が重視されますので、愛だの憎しみだのという表現が出て来ることは、まずありません。

学者によっては文学的な表現を好んで、洒落た言い方をする人もいますが、一般的には科学者の表現は硬くて、あまりセンスがあるとは言えません。

でも、人が誰かに心が惹かれたり、逆に反発してしまうのは、物理の法則と同じことだとわかれば、とても面白いですね。

それに、そこで生じる問題にも、対処しやすくなるでしょう。

電気のプラスとマイナスが引き合うように、心のエネルギーにそのような要素が含まれていたならば、本人の意識とは関係なく、ある人物がある人物に心惹かれるということがあるのです。

そこに社会的な常識や立場など、関係ありません。

心がそうなっているのだから、惹かれ合っても仕方がないのです。

それを本人の責任という形で処理しようとすると、いろいろ無理が出てしまって、大きな問題を引き起こすかもしれません。

一方で、心と心の間に生じる引力や反発力が、物理の法則と同じであるならば、物理の世界でいう引力や反発力を、内側から眺めて、そこに相手に対する好き嫌いの感情が、あると見ることができるでしょう。

原子における原子核と電子は、互いに愛し合って引き合っていると、見るわけです。

塩である塩化ナトリウムは、水の中ではプラスのNaイオンとマイナスのClイオンに分離します。

塩として存在している時、二つのイオンはやはり電気的に引き合っているわけで、互いに愛し合っていると言えるのです。

金属は原子と原子の間で、同じ電子を共有することで、原子同士が引っ付いています。

言ってみれば、同じ電子が複数の原子核を相手に、二股や三股をかけているようなものでしょうか。

人間社会からすれば、何ということかとなりますが、原子の世界では別に問題とはなりません。

きっと電子は、みんな大好きだよと言って回っているのでしょう。

こうして見ると、世界の様々な物は、愛で構成されていると言えます。

どうですか、面白いでしょう?

また、こう考えれば、科学と文学は決して別物だとは、言えないと思います。

世界は愛でできているなんて言葉は、とても文学的ですし、普段口にするには気恥ずかしいですよね。

でも、実はそれが事実だとすれば、こんなに素敵なことはありません。

そして、恐らくこれは事実なのです。