科学と文学 その1
人間はいろいろな学問を作りました。
その研究対象によって、語学や文学、経済学、物理学、数学、政治学、生物学など、いろいろあります。
昔はなかった学問が新たに構築されて、こんな学問もあるのかと、驚かされたりもします。
大学受験の際には、どの方向の分野に進もうとするのかということで、大きく文系と理系に分けられます。
文系は人間を対象にし、理系は自然を対象にしたものを言いますが、どの学問がどちらに分類されるのかは、学問によっては曖昧なことがあるようです。
とは言っても、たとえば文学は明らかに人間を対象としたものであり、物理学などのいわゆる科学は、宇宙や自然界を対象にしています。
今の世の中では、企業が理系出身の者を優遇する傾向があるので、理系の学問の方が文系の学問よりも、高く評価されがちです。
でも、学問というものに本来上下関係はありません。
対象が全く違うわけであり、比べようがないからです。
ある学問を低く見るというのは、その学問に価値がないのではなく、その人がその学問に対する興味がないというだけのことです。
お金儲けにつながらなければ価値がないと見る人たちにとっては、文系よりも理系の学問の方が優れているように思えるのでしょう。
でも、そうは言っても自分の性格や好みが、その学問に合っていなければ、無理にそちらを選ぶと大変です。
お金よりも興味に従って選ぶ人は、どちらがいいとかとは考えず、これが面白そうかなという感じで選ぶのだと思います。
また、それが本来の正しい選び方でしょう。
ところで、いろんな学問は、それぞれ研究対象が異なります。
そのため互いの学問は、全くの畑違いで、他の学問とは無関係であるように見えます。
もちろん、物理学では数学を用いますし、天文学では星の動きを調べるのに物理学の知識が必要です。
このように接点を持つ学問同士は、互いの関連性を認め合っていますし、それぞれが合体したような、新たな名前の学問が生まれたりもします。
ところが、文学と物理学が接点を持つことはありません。
これは全く異なる学問同士とみなされているわけです。
しかし、果たして本当にそうなのでしょうか。