地球人としての自覚 その5
口先だけで、自分は地球人だとか、地球市民だと言ったところで、何の意味もありません。
地球人だと言う以上は、思考や振る舞いも、それに見合ったものでないといけません。
家族を大切にする人は、義務で大切にしているのではありません。
本当に親や兄弟姉妹を大切に思うから、大切にするだけのことです。
それはその人にとって、ごく自然な思考であり行為です。
それと同じように、地球や地球に暮らす者たち全てが、自分の家族のように感じるならば、自然とそれに応じた思考や、行動を取るでしょう。
誰かに言われてするのではありません。
義務感や責任感でするのでもありません。
相手のことが好きだから、そうするだけのことなのです。
同じ人間同士で、諍いを起こしているのは論外です。
勝手に縄張りを作って、ここから先は俺の物だとか、ここは自分たちの領土だなんて、地球をどれだけ馬鹿にしているのでしょうか。
私たちは地上にある様々なものを利用していますが、どれ一つとして、これは自分のものだと言えるものなどありません。
自分の体でさえ、そうなのです。
全ては借り物です。
本当に所有できるものなど、ありません。
自分が持っている物を、誰かが欲しがったなら、何故欲しいのか、理由をよく聞くべきでしょう。
また、今それを手放せないのであれば、その理由を相手がわかるように伝えるべきでしょう。
お互いが相手を思いやる気持ちがあれば、そこでいざこざは起こりません。
相手が問題を抱えているのであれば、一緒にその問題を解決しようとするだけのことです。
地球人としての自覚とは、自分は地球人だという認識だけでなく、他の人たちもみんな同じ地球人なんだと、認識することでもあるのです。
たとえ相手がまだ地球人としての自覚がなくても、自分はその自覚を持っていればいいのです。
いちいち口に出して、説教めいたことなど言わなくても、地球人として行動していれば、その姿、その姿勢が他の人にも伝わり、自然と同じ価値観が広がって行くものです。
また、地球人としての自覚を持てば、その人の心はいつも平和で静かな喜びに満ちています。
その心に従った暮らしをして、その生活を楽しんでいるだけで、他の人にも地球人として生きるということが、自然と伝わるのです。
特別なことをする必要はありません。
地球人としての自覚を持つことは、人間として自然な成長過程です。
つまり、本来の自然な自分の姿を出して、自分の思ったとおりに生きることが、地球人としての自覚を持つことにつながり、個人も社会も幸せになれるのです。