地球人としての自覚 その2
地球市民という言葉があります。
国籍や民族、宗教などの違いを超えて、自分が所属しているのは地球であると、考えることのようです。
また、宇宙船地球号という言葉もあります。
地球を宇宙船ととらえて、地球に暮らす者はみんな、同じ宇宙船の乗組員だという考え方です。
どちらも発想として、素晴らしいと思います。
今の世界で起こっている様々な問題の原因には、他者への思いやりのなさや、自分さえよければいいという自己中心的な考え方、またそれらを増長させる、お金中心の競争社会が挙げられます。
地球市民や宇宙船地球号という考え方は、今の世の中を支配している価値観に、取って代わるであろう先進的な発想です。
でも、お金を稼ぐことに夢中になっている人や、すでに多くのお金を稼いで、それなりの地位や権力を手にした人たちは、このような新しい考えを否定するでしょう。
新しい考えの下では、せっかく苦労して手に入れたお金や地位や力が、失われるように思うからです。
しかし、お金や地位や力が必要だと考えるのは、それがないと生きて行くのが大変だと、受け止めているからです。
そんなものがなくても、何も心配せずに、みんなと楽しく暮らしていけると確信が持てるならば、多くの人が新しい考え方を受け入れるでしょう。
最後まで抵抗するのは、他人が苦しむ姿を見ることで、自分は安泰だとほくそ笑みたい人だけです。
でも、そんな人はそれほど多くいるとは思えません。
ほとんどの人が不安によって支配されているだけで、他人の苦しみを喜びたいわけではないからです。
不安から逃れたいけれど、新しい考えを持つことに、とても大きな不安を抱いてしまうので、なかなか初めの一歩が踏み出せないだけなのです。
でも、一歩踏み出してみると、意外とうまく行くとわかるので、あとはスムーズに進むことができるでしょう。
そんな風にして、この新しい考え方は、徐々にではありますが、世界中に広まることと思います。
そして、その時には今の経済社会に代わる、新たな社会システムが構築されることでしょう。