> 悩まれている方へ > 健康・生活環境 > 体の傷と心の傷 その5

体の傷と心の傷 その5

この記事は4で読めます。

今の世の中、多くの人が自分に自信がありません。

それは、目立つ人や特別な力を持つ人、立派な資格を持っている人や、地位やお金のある人が、恵まれた人であり、将来性がある人だという価値観があるからです。

そのため、何とか自分を認めてもらおうと、嫌なことでも従って、しんどい体に鞭打ちながら、少ない給金のために、身を粉にして働こうとするのです。

他人よりも多くの給金をもらえたなら、それを喜びはするけれど、世の中のあり方に疑問を挟むことはありません。

多少給料が増えたところで、それで自分の本当の価値が上がったとは思わないので、将来への不安は、常につきまといます。

しかし、本来は人間の価値に、どんな人が将来性がある、というような基準はありません。

そのような基準があるのは、その方が都合のいい人たちがいるからです。

また、今の社会のあり方は、そんな人たちが中心になって築いていますので、事情がわからず社会に放り出された多くの人は、自分が置かれた状況に不安を覚えます。

誰かに雇われるのが当たり前。
お金を稼がないと生きられない。
どんなにがんばっても、上に上がれるのは一部の人だけ。
好きなことをするのは遊びだから、仕事の方が優先だ。

周囲の人がこんな考えを持つことで、それが当然なのだと信じ込み、自分もその考えを受け入れてしまいます。

また、多くの人とこの考えを共有していることで、この考えに対する信念は、かなり強固なものとなるのです。

つまり、他の人と違うことをすることに、不安や恐怖を覚えてしまうのです。

あるいは、自分が他の人と一緒にはできないと思った時に、自分が異常だと思い込んでしまうのです。

でも、異常なのは他の人たちの方です。

みんな、自分が誰かの価値観に、洗脳されているのに気がつかないで、本当の自分の気持ちを捨てさせられて、与えられた環境の中で、他の人と同じような暮らしを繰り返すことが、自然なことだと信じ込まされているのです。

洗脳されている人たちは、病識がありません。

異を唱える人の方が、病人扱いをされてしまいます。

多数決の論理に従い、多くの意見に従うことが正しいという考え方も、ここに絡んでいて、世の中について行けない少数派人は、自分がおかしいのだと思ってしまうのです。

世の中のあり方に不信感を抱く点では、この人はみんなのようには、洗脳されていません。

ところが、不信感を抱いてしまう自分が悪いのだと、考えてしまう点では、見事に洗脳されているのです。

自分に自信を取り戻すためには、世の中に蔓延している価値観が、誰かを利するための洗脳だと、気がつくことが重要です。

それさえわかってしまえば、そんな価値観に自分を当てはめて、考える必要がないことに気がつくでしょう。

それは自信と同時に、自由や開放感をもたらしてくれます。

自分は自由なんだという喜びが、次の喜びを引き寄せ、心の中のマイナス思考は、どんどん消えて行きます。

また、本当に自分が好きで選んだことに対しては、自然と責任感が生まれます。

それは、自分が選ぶ生き方に対する、こだわりだからです。

心の傷を癒やすためには、冷静さが必要ですが、その冷静さを持つためには、知らず知らずに心に擦り込まれていた、多くの価値観の洗脳から、解放されなければなりません。

世の中の当たり前と言われることを、一つ一つ疑ってかかり、どうしてそれが当たり前なのか、という理由を探るのです。

そうすれば、本当に当たり前なことなど、一つもないとわかって来るでしょう。

また、みんなが持つ考えが、全ての人の喜びにつながるものなのか、一部の人だけを喜ばせるものなのかが、わかると思います。

一部の人だけが喜ぶ価値観は、間違いなく、その人たちが世の中を支配するために、ばらまかれたものです。

洗脳と言うと、宗教のようなイメージがありますが、そうではありません。

支配する者が、支配される者を管理するために、使用するのが洗脳です。

また、支配しているつもりの者が、実は誰かに洗脳されて、支配されていた、ということもあります。

とにかく、そのような洗脳から逃れることが、心の傷を癒やすには、第一にしなくてはならないことなのです。