体の傷と心の傷 その2
体の傷は目に見えますから、傷ついた時には、それを治そうと、いろいろ努力をします。
しかし、心の傷は目に見えません。
そのため、深く傷ついていても、それを放置してしまったり、何とかしたいと思っても、どうすればいいのかわからない、というのが現状でしょう。
でも、心の傷を癒やすのも、体の傷を癒やすのと、理屈は同じです。
体の傷がどのようにして癒えるのか、どうすれば癒やせるのか、それが理解できていれば、心の傷も癒やすことができます。
それができないのは、心と体は別物だという、信念のような考え方を、多くの人が共有しているところにあります。
体は目に見えて、心は目に見えない。
だから、両者は異質な別物だ、と考えてしまうのです
でも、どちらもエネルギーです。
ゆがんでしまったエネルギーの状態を、元の自然な状態に戻してやるだけのことです。
体には、傷を癒やして、元の状態に戻ろうとする働きがあります。
それは、心も同じです。
どちらのエネルギーも、自然な状態を維持しようとしますし、状態がゆがめられると、元に戻そうとします。
それがうまく行かないのは、エネルギーのその働きを、わざわざ邪魔することをしているからです。
体について言えば、不健康な習慣や行動、偏った食事や、有害物質を含んだものの飲食、汚れた空気、ストレスの多い環境、間違った治療、などが自然な治癒を邪魔しています。
しかし、人間は自分の生活環境を変えることを好みません。
また、多くの人が専門家と言われる人に、全てを丸投げして、自分自身で傷を癒やすための行動を取ろうとしません。
それでも体は強いですから、少々の傷であれば、悪環境の中にいても、塞がってくれます。
また、大きな傷の場合は、さすがに怖いですから、自分でも傷の治療に意識を向けます。
でも、見た目は元気に見えても、体の内部が弱っている人が、大怪我をしてしまうと、命取りになるかもしれません。
それでも、目に見える体の傷は、自分も周囲の者たちも、何とか治そうとするので、まだ治りやすいと言えます。
ところが、目に見えない心の傷は、専門家であるはずの医師やカウンセラーでさえもが、お手上げ状態のことが、ほとんどです。
せいぜいが、精神安定剤などの薬を与えて、お茶を濁すぐらいでしょう。
根本的に傷を癒やしてくれるようなことはありません。
これは体の傷で言えば、傷口が大きく開いているのに、その傷を塞いでやることができず、痛み止めや、炎症や腫れを抑える薬を出して、これで様子を見てみましょう、と言うようなものです。
要するに、本当の心の傷の専門家など、どこにもいないということです。
では、どうすればいいのでしょうか。
それは、自分自身が専門家になればいいのです。