振動とは その2
空間が幻想であるならば、振動というものを三次元的に考えることはできません。
空間を構成しているエネルギーの、本来の振動というものは、三次元的なものではないはずです。
では、それはどのようなものでしょうか。
それは恐らく、単にそのエネルギーの状態が、順番に異なるものになるだけなのだと思います。
たとえば、エネルギーを一つのボールに見立てます。
本当は三次元空間的なボールを、エネルギーに見立ててはいけないのですが、それではイメージができないので、ここは辛抱してボールに見立てます。
このボールは動きません。
空間がないので、移動する距離というものがないのです。
ただ一所に、ボールがじっとしているというイメージです。
ところが、このボールの色がくるくると変わります。
赤 → オレンジ → 黄 → 緑 → 青 → 紺 → 紫 → 紺 → 青 → 緑 →黄 → オレンジ → 赤
と七色を繰り返しています。
ボールは動きません。
でも、この一定間隔で同じ色の変化を繰り返すのも、振動と見ることはできるでしょう。
私たちが知る振動とは、三次元空間における、振動物の位置の変化ですが、ここでいう振動とは、エネルギーの状態の変化です。
同じようなボールの色の変化でも、
赤 → オレンジ → 黄 → 緑 → 青 → 紺 → 紫 → 赤紫 → 赤
というような、らせんを描くような変化も考えられます。
振り子のようなものではありませんが、同じ所へ戻って来ますから、これも振動と捉えることができると思います。
このような様々な変化をするエネルギーは、一つに重なることができます。
逆に言えば、全ては一つに重なっていたと言うことができるのです。
そして、空間を構成する時には、全てのエネルギーの重なりの中から、そこに必要な振動エネルギーだけが取り出されるのです。
それは細胞の核にある遺伝情報の中から、各種の細胞が自分に必要な情報だけを、引き出すのと似ています。
では、誰がエネルギーの重なりの中から、必要な振動エネルギーを取り出すのでしょうか。
それは意識でしょう。
私たちが夢の世界を創るのは、私たちの意識があるからです。
世界とは、それを認識するものがいるからこそ、生まれるのです。
ですから、人間には人間が認識する世界があり、動物には動物の、植物には植物の、鉱物には鉱物の世界があるのです。
では、私たちの意識とは何なのでしょうか。
私たちの意識も、やはり全てのエネルギーの重なりの中に、存在しています。
意識とは、様々なシンプルな振動エネルギーが、複雑に重なり合った上に生じている、複雑な振動エネルギーなのだと思います。
あらゆる振動があるわけですから、人間の意識以外にも、あらゆる意識があるはずです。
人間よりも単純な意識もあれば、人間より複雑で高い知性を持つ意識もあるでしょう。
そして、それぞれの意識が持つ振動エネルギーの中で、それぞれが自分が認識できる世界を、構築するのだと思います。