アメリカの粉ミルク騒ぎ
先日、アメリカで深刻な粉ミルク不足が問題になっていると、記事に出ていました。
その原因は大手の粉ミルクを摂取した乳児四人が、細菌感染症になって二人が亡くなったことでした。
そのため、この粉ミルク工場が2月から操業停止となり、メーカーが製品を自主回収したことで、全国で粉ミルクが不足するという事態が起こったようです。
粉ミルクに限りませんが、全国的に必要とされるものを、ごく限られた所だけで生産していると、そこがだめになった時に、大混乱が起こります。
この問題には、そういう経済構造も大きな原因の一つに違いありません。
でも私が驚いたのは、そのことではなく、アメリカでは子供に母乳を飲ませない人が、そんなにたくさんいるのかということでした。
日本との文化の違いで、アメリカでは赤ちゃんが生まれても、女性はベビーシッターに赤ちゃんの世話を任せて、働きに出るようです。
そうなると、当然母乳を与えることができませんので、粉ミルクが必要となるわけです。
もちろん、母乳を与えたくても母乳が出ない人や、男性同士で結婚している人などもいるでしょうから、そんな方たちは粉ミルクが必要でしょう。
それでも、母乳が出るのに粉ミルクを与える人が、あまりにも多いのではないかという印象を受けました。
文化の違いと言えばそれまでですが、子供を産んだ母親が、子供に母乳を与えるのは、自然の摂理だと思います。
人間も動物である以上、その姿が本来の自然な姿だと思うのですが、社会構造や社会における女性の立ち位置などが、女性のあるべき姿というものを、自然とは異なるものにしているのでしょう。
そのため、母乳を子供に与えない社会が当然のようになってしまい、粉ミルクが手に入らないと、大問題になるわけです。
でも、粉ミルクを手にして維持しようとしている、その社会のあり方が、本当にそれでいいのかを、問い直す時期ではないのかと思います。
ほとんどの女性が粉ミルクを使うことで、一番喜ぶのは粉ミルクの製造会社でしょう。
また、粉ミルクの原料となる、牛乳を作る酪農家たち。
それに、彼らから多額の税金を受け取る自治体でしょうか。
そのために、女性が母乳よりも粉ミルクを重視するような社会が作られて、それが当たり前で正しいことなのだと、みんなが洗脳されているような気がします。
アメリカの大女優ベット・ミドラーが、こんな時には子供は母乳で育てましょうと、声かけをしたところ、大バッシングを受けるということが起きているそうです。
彼女は別に誰かを非難したわけでもありませんし、無茶苦茶なことを喋ったわけでもありません。
母乳を与えられない人に対して、粉ミルクよりも母乳がいいのだと、主張したわけでもないのです。
ただ、こんな時だから母乳を与えられる人は、母乳を与えるようにすればどうかと、提案しただけです。
それなのに状況が理解できないひどい人だと言うような、ひどい言葉が投げかけられるのは、人々が正常な思考ができなくなっている証拠でしょう。
戦争を支持する人たち同様に、これも一種の洗脳だと私は思います。
と言うと、戦争と一緒にするなと怒られてしまいそうですが、でもそうなのです。
大問題が起こっている時には、必ず自分たちの価値観に、その原因があるのだと考えなくてはなりません。
そして、どこが悪いのかを見極めて、そこを修正する必要があるのです。
そうでなければ、本当の問題解決にはなりません。
病気と同じことです。
世界中に蔓延している、様々な問題、知らぬ間に洗脳されたような価値観が、いろんな所で限界を迎えているようです。
それらの問題が露呈するような大きな問題は、恐らくこれからも続くことだと思います。
でも、それは悪いことではありません。
問題が起こることで、その問題の原因が見つかり、そこが修正されれば、次に待っているのは、とてもいい世の中なのです。
そのためにも、すぐにかっとなるのではなく、問題が起きた時には、今までの何が悪かったのかと、冷静に考えることが大切です。