政府による有機農業支援
日本政府は、環境に配慮した農林水産業の推進を目指し、「みどりの食料システム法案」を閣議決定した、という報道がありました。
その内容は、化学農薬を使わない有機農業に取り組む生産者や、環境負荷が少ない技術開発を進める食品事業者の認定制度を創設し、税金を軽減するなどして支援することが柱だそうです。
現在の通常国会で成立させて、年内に施行する予定だということです。
2018年の有機農業の農地面積は、全体の0.5パーセントしかありませんでしたが、それを2050年には25パーセントにするというのが、農林水産省の戦略だそうです。
また、2050年までに、化学農薬の使用量を5割減らすということです。
これまで有機農業が広がらなかったのは、化学肥料や農薬を販売しているJAが、有機農業に消極的だったからです。
しかし、世界では有機農産物の売上高が、この10年間で倍増しており、日本も有機農業に力を入れねばとなったようです。
ただ有機農業と言っても、化学肥料の代わりに使う、有機肥料がどのように作られるのか、という点は重要です。
そこに多くの化学物質が混入していたのでは、有機肥料という名前の化学肥料を、使用することになるからです。
また、農薬を減らすという話も、作物を遺伝子組み換えにより操作して、作物の性質を変えてしまうことを考えているのであれば、それが本当に安全でいいことなのかも、検証する必要があるでしょう。
本当は自然栽培が一番いいのですが、現状ではその普及は、難しいようです。
それでも、まずは有機農業推進へ、政府が舵を取ったことは、小さいけれど大きな一歩だと思います。
国民が安全で美味しい作物を望めば、政府が計画しているよりも、もっと急速に有機農業は広がりを見せるでしょう。
また、それに併せて、自然栽培も広がって行くと思います。
ポイントは、みんながどこまで安全な食べ物を求めるか、ということであり、より安全な食べ物を望む人が増えれば、いずれは自然栽培が有機農業に、取って代わることになるでしょう。
政府が物事を動かしているように見えますが、本当は私たち国民が動かしているのです。
そこを理解して、安全な食作りが広まるよう、私たちも協力して行きたいと思います。