擬人化の楽しさ
アニメ映画では、動物や植物が人間のように、お喋りをしたり、泣いたり笑ったりしますよね。
動物が衣服を身に着け、二本足で歩き、レストランで食事をしたり、仕事をしたりします。
植物は動きませんが、木の幹の部分や、草花の花の所が、顔になって喋ったり歌ったりします。
そんな映像は、子供たちをワクワクさせますし、大人も楽しい気分にさせてくれます。
動植物だけでなく、食器や時計などの品物が、やはり衣服を着て、人間のようにふるまったりもします。
空に浮かぶ、太陽や月や星たちが微笑むのも、お馴染みの場面でしょう。
そんな気分で空を見上げると、直接は星たちから、何もしてもらえなくても、空から見守ってもらえているようで、温かい気持ちになりますよね。
日本の最古の漫画として、有名な鳥獣戯画も、カエルやウサギが、人間のように描かれています。
同じ古い漫画で、百鬼夜行も面白いですね。
鬼や魔物たちが描かれているのですが、中には長年使われた家財道具などが、付喪神になった者もいます。
これも擬人化です。
このように擬人化された、動植物や品物などに、人はとても親しみを覚えます。
それは、自分とは全く別の存在と、見なしていたものが、自分と同じ人間のように、感じられるからです。
人と同じように考え、振る舞えるものは、外見が人と異なっていても、同じ仲間として見るのですね。
あなたにとって、お気に入りの品物があれば、その品物はあなたにとって、特別なものとなります。
たとえば車ですが、他の人から見れば、ただの車でしょう。
でも、あなたから見れば、大切な相棒のように、思えるはずです。
ペットの動物や、大切に育てている植物も同じです。
他の人から見れば、どこにでもいるような動植物です。
でも、あなたにとっては家族と同じです。
人間ではないものに、人間とおなじ価値を覚え、人間と同じように扱うと、その人の人生は、とても豊かで温かく、面白いものになります。
それは、その人が勝手に、妄想しているだけだと、思うかも知れません。
しかし、実際に相手にも、ちゃんとした意識があり、こちらの想いに、反応してくれるのだとすれば、どうでしょうか。
山や海、空に浮かぶ雲。
どれも、普段は自分という概念を、持っているようには見えません。
しかし、呼びかけることで、そこに呼びかけられた者としての自我が、一時的にでも生じるのではないかと、私は考えるのです。
呼びかけるのをやめれば、元の自我のない意識に戻ります。
しかし、長く呼びかけ続ければ、そこの部分に自我の意識が、定着するのかも知れません。
そうして生じた自我の意識は、呼びかける者との間にだけ、交流を行うのです。
それによって、呼びかける方の心には、愛着が生まれるのでしょう。
これと同じように、様々なものに意識を向けて、微笑んでみて下さい。
きっと向こうからも、微笑みが返されることでしょう。
もちろん、その微笑みは、あなたにしかわかりません。
その対象を地球や、太陽、月、星などに広げるのも、楽しいと思います。
空の上から微笑み返されて、アニメの主人公になったような、気分になれますよ。
そして宇宙という、この世界自体にも、微笑みかけてみて下さい。
そうすれば、あなたの人生は、微笑みに包まれることでしょう。