てこの原理 その2
私たちの心の動きが、具体的な結果を導き出すことに、てこの原理を当てはめたなら、何が支点で、何が力を加える棒になるのでしょうか。
たとえば、何かのお店をやりたいとしましょう。
そうですね、カフェを開きたいということにしましょうか。
カフェに憧れ、いつかカフェを開いてみたいと思っている人が、何かをきっかけにして、いきなりカフェを開くことはあると思います。
それでうまく行く人もいれば、うまく行かない人もいます。
同じようにしているつもりでも、うまく行くか行かないかの差が出るのは、そこに何かの違いがあるからです。
お店を開く場所や、お店の規模や雰囲気、メニューの内容、お店を通してオーナーが表現したいものや求めているもの、開店する時期や時間帯、その地域の人々の好み、資金的な余裕。
そんないろんな要素が絡み合い、うまく行ったり行かなかったりするわけです。
それでも、いきなりやってうまく行く人がいるならば、その人は余程運に恵まれているか、物事を見定めるセンスがあるかでしょうね。
何事も頭でいろいろ考えて計画を立てても、思ったように行かないことが多いものです。
そこをうまく切り抜けて行けるのは、直感力が優れているのかもしれません。
自分にはそんな力がないから、無理なんだと思うでしょうが、直感力を鍛えればいいのです。
そもそも直感という言葉は知っていても、それがどんなものなのか、感覚的に知らないとだめですから、直感がわからない人は、それについて探求するところから始めないといけません。
その分、時間はかかるでしょうが、望みを叶えるためには必要なことです。
カフェをやりたいと言いながら、料理はできないし、コーヒーの淹れ方もわからなければ、お話になりません。
これも人前に出しても恥ずかしくない程度には、修行をする必要があります。
いずれにしても、やろうと思ったことの実現までに、時間と労力がかかります。
これが、てこの棒の部分の動きですね。
棒を動かす力が少なくて済むとは言え、思った所まで棒を動かすには、それだけの時間がいるのです。
その結果、目的の物がどれだけ動いたかというと、それは思ったほどではありません。
それでも確実に動きます。
棒が折れてしまっては、てこも何もあったものではありませんが、自分が何かをやろうとしている時の心の強さが、この棒です。
どんなに大変でも、どんなに時間がかかろうと、絶対に成し遂げてみせるぞという意志の強さが、この棒の強さなのです。
ですから、途中で心が折れて、作業を投げ出してしまうのは、てこの棒が途中でぽっきり折れるのと同じなのです。
ということは、どれだけの情熱をもってやろうとしているのか、という点が重要だということですね。
てこの支点をどこにするかは、自分の力がどのくらいあるのかで決まります。
また、目的の物をどれぐらい動かすかという、目標によっても決まります。
つまり、てこの支点とは、今の自分の力でどこまでできるかという、見通しだと言えるでしょう。
それでできることが限られていても、心配する必要はありません。
一気に全部をするのではなく、全体をいくつかにわけて考え、それを一つずつこなして行くことで、最終的に全部をやり遂げると考えればいいのです。
一度に立てられる見通しが小さいものであったとしても、計画を何段階かに分けることで、最後には思ったようになるでしょう。
情熱と根気があれば、少しずつではあっても、必ず夢は叶うのです。
それを、てこの原理が証明してくれています。