愛を見つけよ その3
今の世界が置かれた状況の中で、愛を見つけるということは、容易なこととは思えないかもしれません。
愛よりも恐怖や憎しみの方が、目につきやすいからです。
ウクライナで起こったことは、自分たちの国でも起こるかもしれないと、多くの国やそこの国民が、不安に駆られていると思います。
しかし、未来を創るのは私たち自身です。
不安や恐れがもたらした結果を見せられたのであれば、そうならないようにすればいいのです。
不安や恐れを見せつけられて、同じ不安や恐れを抱いたなら、同じ状況が再現されます。
そして、自分が抱いた不安や恐れは正しかったと、強く思い込むことになります。
また、人は死を恐れます。
死ぬというのは、生きられなくなるということですから、死を恐れるというのは、当たり前と言えば当たり前です。
でも、自分が自分でないまま生きるよりも、自分が自分であり続けて死ぬ方がいい、と思えるようになれば、死をそれほどには恐れなくなると思います。
死をあまり恐れなくなると、不安や恐れよりも、愛に目が向きやすくなります。
あらゆる不安や恐れの根底には、死のイメージが潜んでいるからです。
この死を恐れなくなったなら、様々な不安や恐れが弱まります。
その分、不安や恐れに向けていた意識が、喜びに向けられるようになり、喜びの根底にある愛に気づくことになるのです。
ウクライナとロシアの争いの中で、両国で苦しむ人たちに目を向け、その人たちの気持ちを思いやることも、愛に基づく行為です。
でも、そればかりが愛ではありません。
争いとは全然関係のない、日常の暮らしの中にも、愛はたくさん顔を見せてくれています。
道端に咲く小さな草花のように、本当はそこに愛があるのに、気がつかないで見過ごしていることは、多いのではないでしょうか。
でも、自分の不安や恐れが小さくなれば、そんな草花のような愛の面影に、気がつくようになるでしょう。
ちょっとしたことに感謝の気持ちが起こり、何をしても嬉しくなると思います。
誰かと微笑み合うだけで、幸せな気持ちになれるでしょう。
生きているだけで、喜びが湧いて来るのです。
みんながそんな思いで暮らしたならば、そこに争いは起きません。
今、争って苦しんでいる人たちを、思い遣ることも愛ですが、それだけでは苦しみの状況を変えることは困難です。
普段の暮らしの中で、小さな愛を見つけて、そこに幸せを見つけるという生き方こそが、戦争を防ぎ、争いで苦しんだ人たちを、癒やしへ導くことができるのです。
愛を見つけてください。
どんなに個人的で些細なことに見えたとしても、それが世界の平和につながるのです。
一人一人のそんな想いや動きこそが、世界を変えることができるのです。