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どうして戦争が起こるのか その1

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今、ロシアとウクライナの戦いが、世界中の注目を集めています。

しかし、これまでにも人間は、世界の至る所で争いを繰り広げ、何度も戦争を繰り返して来ました。

戦争と言うと、国同士の争いになってしまいますが、内戦と呼ばれる国内の争いも、一種の戦争でしょう。

集団と集団が互いを否定し、殺し合うものは、規模に関係なく戦争と見ていいと思います。

それにしても、どうして戦争は起こるのでしょうか。

また、人間はどうして同じ愚かなことを、繰り返してしまうのでしょうか。

 ※Alexas_FotosさんによるPixabayからの画像です。

歴史から学ぶという言葉がありますが、歴史は繰り返すという言葉もあります。

学んでいるはずなのに繰り返すということは、実は学べていないとういことですね。

これはタバコやお酒が体に悪いと知りながら、それをやめられないのに似ていると思います。

全然違うと思われるかもしれませんが、同じ理屈です。

タバコやお酒をやめようと思うのは、頭で考えているわけです。

体に悪いことはやめておこうと考えるのですね。

でも実際にやめられないのは、タバコやお酒をやりたいと思う、感覚的な欲求があるのです。

それは肉体的な欲求のこともありますし、精神的な欲求のこともあります。

いずれにしても、それらの欲求がどうして起こるのか、という点について考慮しない限り、本当の禁煙や禁酒はむずかしいのです。

 ※anncapicturesさんによるPixabayからの画像です。

それと同じように、戦争は愚かなことであり、悲惨なことだというのは、誰にでもわかります。

勝っても負けても、そこには悲しみと憎しみしか残らないと、誰もが学ぶことはできます。

それで二度と戦争なんかしないぞ、と考えるのです。

でも、実際には戦争を繰り返してしまいます。

それはタバコやお酒を求めてしまう欲求があるように、戦争をするしかないと考えてしまう理由があるわけです。

その理由を無視した状態では、いくら戦争がよくないことだとわかっていても、また戦争をしてしまうのです。

戦争は選択肢に入れるべきではないのですが、選択肢の一つに数えてしまうのですね。

それは何故でしょうか。

それは暮らしの不満を、相手のせいだと考えたり、相手から抑圧されたり、襲って来られるかもしれないと、不安になったりするのが原因です。

また、相手への恐れや憎しみを抱いてしまうと、相手が自分と同じ人間だということを、忘れてしまうのです。

 ※Rohit VermaさんによるPixabayからの画像です。

同じ人間を傷つけるのは気が引けますが、人間でないと見なせば、殺すことだって平気になります。

戦争は嫌であっても、その嫌な戦争をさせているのは、あいつらだと決めつけます。

自分は悪くないという立場で、自分を守ることや、自分が得することばかりを考えます。

相手への思いやりなど微塵もありません。

こういう人たちは、ちょっと誰かがそそのかすと、すぐにその気になって、相手を徹底的に痛めつけようとします。

支配欲や征服欲の強い者が現れると、自分たちの救世主だとばかりに支持をして、言われたとおりに動きます。

自分がしたことの責任なんて考えません。

思考能力なんかないのです。

こんな状況が続いていることが、いつまで経っても戦争がなくならない理由です。

他人を思いやれない自分勝手な考え。
正しい答えを自分で導き出す思考力の停止。
強い者になびけば安全と思う自信のなさと責任感の欠如。

個人的ないじめや差別の問題などを、振り返ってみて下さい。

問題を起こしている者たちは、必ず上に述べたような人間です。

そして戦争という愚かなことを繰り返す人たちも、これと同じ人々なのです。

 ※41330さんによるPixabayからの画像です。

いくら指導者が命令をしたところで、誰も従わなければ戦争にはなりません。

指導者に言われたから、相手を殺したと言い訳をしたところで、自分が犯した罪が消えるわけではありません。

指導者に責任を押しつけようとしても、その指導者に従った、その指導者を支持したという責任が、なくなることはないのです。

全てのことは自分で決めている。

この事実を受け入れない限り、無責任な人たちは、支配欲の強い指導者に利用されて、戦争を引き起こします。

他人を思いやり、自分の人生は自分で決める力を持ち、その結果の責任を受け止める勇気があれば、戦争は起こらないでしょう。

狂った者が指導者の立場に立つこともなく、人々は対立ではなく、助け合うことを選びます。

そもそも指導者なんて必要なくなるでしょう。

戦争を繰り返さないために、戦争の悲惨さを学ぶことは大切です。

でも、本当に戦争をなくそうと言うのであれば、普段から人々が互いを信頼し合い、尊敬し合い、助け合うという環境が必要なのです。