本当の仕事 その2
天職という言葉があります。
あまりにも自分にぴったりの仕事を手に入れた時、まさにこれは天が与えてくれた仕事だ、と思いたくなるでしょう。
それで、そんな仕事を天職と呼ぶわけです。
でも実際には、なかなかそのような仕事に、巡り会うことはありません。
ほとんどの人が生きて行くために、必死に探して見つけた仕事に、しがみついているのが現状でしょう。
それが自分に向いているかどうかなんてわかりません。
向いていないとわかったとしても、それを続けるしかないのです。
せっかく大学に入って専門的な知識を学んでも、それを活かせる仕事につける人は稀でしょう。
全然お門違いな仕事や、大学に入る必要がない仕事で、何とか生計を立てるばかりです。
天職に巡り会うなんて、夢のまた夢でしょう。
でも、本当にそうなのでしょうか。
天職がどのようなものなのかを、もう一度考えてみて下さい。
天職とは、自分にぴったりの仕事のことを言います。
その定義に、お金を稼げるかどうかは、含まれていません。
学歴も関係ないですし、現在の経済状況も定義には含まれていません。
それが自分の性に合って、ずっと続けていられる仕事が天職なのです。
お金持ちになれる仕事という意味ではありません。
しかし仕事ですから、継続はできるものです。
つまり、見た目に裕福になるとは限らないけれど、自分がずっとのめり込んで続けていける仕事が、天職というわけです。
もちろん、結果的にお金が集まって、大金持ちになるかもしれません。
でも、本人はお金には関心が向かないでしょうから、あってもなくても関係ないのです。
自分がやりたいことに、没頭し続けていられれば、それが幸せなんですね。
そこを理解したところで、さて、自分は何を基準に仕事を求めているのだろうかと、見直してみて下さい。
すでに仕事を手にしている人も、それは自分がのめり込める仕事なのかどうかを、確かめてみて下さい。
のめり込める仕事であればいいのですが、そうでなければ、天職とは言えませんね。
天職の仕事が欲しいのであれば、お金を稼ぐ仕事ではなく、自分の性に合った仕事を、探す必要があるのです。
また、今の仕事にのめり込んでいる人も、のめり込んでいる動機の部分が、本当に自分の心が欲しているものなのか、上や周囲に認めて欲しいがために、がんばっているだけなのかを、区別しなければなりません。
自分が本当に満足できるのであればいいのですが、他人の価値観に合わせて仕事に打ち込み続けていると、きっと心や体に不調を来すでしょう。
それは、本来の自分の姿ではないからです。
天職を求めるということは、裏を返せば、本当の自分の姿を求める、ということなのです。