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本当にあるのは心だけ その2

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私たちは夢を見ます。

夢にもいろいろあって、ぼんやりしたものもあれば、現実世界のようにとてもリアルなものもあります。

リアルな夢の世界では、自分が現実世界にいるかのように錯覚します。

大変なことをしでかしてしまったり、大事件に巻き込まれたりして、どうしようと焦りまくったあと、目が覚めて、夢だったのかとほっとするのです。

このリアルな夢の中にあった世界とは、何で構成されているのでしょうか。

夢とは個人の意識の中にあるものです。

ですから、いわゆる物質で構成されているわけではありません。

夢の中のものは、その人の記憶で創られていると言われることがあります。

確かに、それはそうかもしれません。

本人が記憶として覚えているかどうかに関係なく、その人が体験した様々な情報を基盤として、夢は創られているという考えは、有り得ることだと思います。

でも、それは夢の世界が何で構成されているのか、という説明にはなっていません。

夢の世界の中で、電子顕微鏡を使うことができたなら、夢の世界を構成している机や椅子、家の壁、地面の土や人間の体などが、原子で構成されているのが、見えるのでしょうか。

物質が原子で構成されていることを、今は誰もが知っていますから、その記憶に基づいて、夢の中の電子顕微鏡では、やはり原子を確認できることは考えられます。

そうなると、夢の世界が本当は何で構成されているのかを、知ることはできないわけですね。

けれども、夢を見た人にとっては、それが夢と気づかないうちは、そこは現実世界なわけです。

いわゆる科学的に証明ができなくても、本人にとっては現実なのですね。

ところで、現実世界とは何なのかを考えてみましょう。

どうして、私たちは自分たちが存在している世界を、現実世界だと認識しているのでしょうか。

もしかしたら、ここもまた夢の中かもしれません。

何かが起こった瞬間、はっと気づけば、別の世界で、今のは夢だったのかとなるでしょう。

私たちは、いわゆる五感の情報に基づいて、世界を認識し、そこに自分が存在していると信じています。

しかし五感の情報とは、心に伝えられてこそ、感覚情報となるのです。

いくら体から神経を介して脳に情報が送られても、それが心に届かなければ、それは心が認識している世界には、反映されません。

目の前に何かが存在していても、その情報が心に伝わらなければ、心はそこには何も存在していないと認識するのです。

世界とは、私たちの心の中に、伝えられた情報に基づいて、構成されたものです。

その情報源がどこにあるのかは別にして、私たちが認識している世界とは、私たちの心の中にあると言えるのです。

そして、それは夢も同じですから、実は夢と現実世界とは、本質的には同じだということなのです。