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正義の裏に見え隠れする差別 その2

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ウクライナには、他の国からも多くの人が、留学生あるいは労働者として暮らしています。

これらの人たちが、ウクライナの人たちと同じように、国外へ逃げようとした時、アフリカやインド、エジプトの人たちなどの外国人が、電車やバスに乗ろうとするのを、ウクライナの国境警備隊が許さなかったそうです。

逆らう者には、暴力をふるうのだと言います。

ウクライナの国民は救わなければならないが、外国人は死んでも構わないということでしょうか。

こんな考えの人間の国だと、手を差し伸べようという気持ちが、しぼんでしまうのではないかと思います。

ロシアに一方的に攻撃されているから、ロシアが悪で、ウクライナが正義、という構図ができていますが、本当に正義なのかと、疑いたくなる気持ちが起こります。

もちろん、現場の国境警備隊の人間が、勝手にやっていることかもしれません。

それでも、国の代表として動いている以上、そこの国がそうさせていると思われても、仕方がないでしょう。

とても残念なことです。

日本でもウクライナの避難民を受け入れると、岸田総理が表明しました。

また、難民と認められない者に対しても、人道上の配慮が求められる者に対しては、我が国への在留を認めると、林外務大臣が述べました。

ウクライナの人たちに手を差し伸べるのはいいことですが、えっ? と思った人は少なくないのではないでしょうか。

これまで日本は難民の受け入れに、とても厳格で、申請をしても認められることは、滅多にないというのが現状です。

それなのに、ウクライナの人たちに対しては、ほとんど無条件に受け入れるというのは、どういうことなのでしょうか。

これは欧米の動きに合わせたとしか、考えられないでしょう。

つまり、アメリカやヨーロッパから白い目で見られないように、というのが理由に違いありません。

しかし、これは明らかに差別です。

これまで難民申請をしながら、何度も拒まれた人や、泣く泣く自国へ送り返された人たち、その人たちを支援していた人々は、どう思うでしょうか。

とは言っても、ウクライナの人々を受け入れるな、と言うのではありません。

総理や外務大臣が言ったように、希望する人たちは、全員を助けてあげればいいと思います。

そして、それを今後の難民受け入れの条件の基準とすればいいのです。

白人を優遇し、有色人種を見下すというのは、絶対に許されることではありません。

基準は全ての人種に、共通のものとしなくてはいけないのです。

日本人、特に政治家は欧米に対して、大きなコンプレックスを持っているようです。

常に欧米の目を気にしていますし、自分で意見を述べる前に、まずは欧米の意見を確かめようとします。

全くもって情けない姿です。

欧米が白人主義的な差別をするのであれば、日本はそうではないというところを、見せてもらいたいものです。

日本こそが世界を引っ張って行くリーダーであると、それぐらい強い気構えを持って欲しいところです。

ただ、世界中の多くの人たちは、人間として戦争に反対し、人間としてウクライナにいる人たちを、助けようとしています。

彼らが心を寄せているのは、ウクライナ人だけではないでしょう。

ウクライナで暮らし、同じ危険な目に遭っている、外国人たちのことも心配しているはずです。

人間は大変なことが起こった時に、その本性を見せるものです。

今回のことは、単純なロシアとウクライナの問題ではなく、様々な問題が浮き彫りにされたと思います。

それらの問題を解決できるのは、愛の心しかないでしょう。

世界中の人々が見せてくれた、国境を越えた純粋な思いやりが、これからの世界を新しく創り直し、動かしていくものと期待しています。