狂気の支配者 その2
今のプーチンが正気でないというのは、誰もがわかると思いますが、そもそも戦争を起こそうという者たちは、みんな狂っています。
それぞれに言い分があり、それぞれが正義を掲げるでしょうが、それは狂った言い分であり、狂った正義です。
また、争う者たちの一方だけが狂っているとは限らず、どちらも狂っているということは、いくらでもあることです。
これまで自国が何らかの戦争や、紛争に関わったことがあるという人は、その戦争や紛争で、自国に正義があったのかを、検証してみるといいでしょう。
正義を口にする時、そこには自分や自分の国を、責めて欲しくないという気持ちが働いています。
その時点で、真実を探ろうとする考えは、かなり抑えられてしまうのです。
これは国ではなく、個人的なことと通じることです。
狂った者がいたとしても、普通はその人物が勝手に狂ってしまったとか、何か事情があったのかもしれないが、それは自分には関係ないと考えるでしょう。
狂った者は異常者で、自分は健常者だと、線引きをしてしまいます。
言葉を換えれば、狂った者は悪で、自分は正義だと考えるわけです。
でも、もしかしたら自分の何でもない普段の暮らし方の中に、その人物を狂気へ追いやる原因の一つが、隠れているのかもしれません。
ちょっとした思いやりがあれば、その人物を狂気に走らせることを、防げたかもしれないわけです。
しかし、自分には関係のないことだと決めつけてしまうと、同じような狂った者が、次々に現れるでしょう。
その原因がどこにあるのか、それをみんなが理解するまで、同じことが続くのです。
それと同じように、支配者が狂うのにも理由がありますし、狂った者が支配者でい続けることができるのにも、それなりの理由があります。
また、支配者は本当は狂っていても、一見したところは、普通の紳士に見えるかもしれません。
本当にその人を知っているのならともかく、一般の者が知る支配者の姿というのは、全体のごく一部であり、実際の姿はわからないものです。
ただ、誰が支配者であっても、その人物は自分一人で何もできません。
その人物に権限や支配力を与えているのは、他の者たちです。
いわば、その人物をみんなが利用して、そこで甘い汁を吸おうとするわけです。
人間の本来の自然な姿を比べてみるならば、この者たちも狂っていると言えるでしょう。
こういう人たちは、どこの国にも掃いて捨てるほどいるものです。
そして、こういう人たちを中心に、人間社会は構築されて来たわけです。
今回のロシアとウクライナの争いで、誰が悪いと個人的に責任を追及することが、これから起こって来るでしょう。
しかし、本当に検証すべきなのは、誰がその人たちに権限を与えていたのか、という点です。
これには、一見何の罪もないと思われる人の多くが、関わっているはずです。
ロシアとウクライナの争いは、地球の反対側でのことだから、日本には直接関係ないや、と思う人がいるならば、それは間違いです。
向こうで起こることは、こちらでも起こります。
起こってから慌てるのではなく、どうしてそういうことになるのか、その原因が日常生活の中に潜んでいないのか、それを探ることはとても重要なことだと思います。