狂気の支配者 その1
ロシアのプーチン政権が、隣国ウクライナに侵攻して、一週間以上が過ぎました。
ウクライナはヨーロッパに助けを求めていましたが、NATOへの加盟は認めてもらえず、同盟国ではないという理由で、各国が直接支援の軍隊を派遣することもありません。
それでも、あまりにも理不尽な状況に、世界中で平和と戦争の中止を求める声が上がり、地球上を大きなウェイブが、うねり続けています。
このうねりは各国の首脳をも巻き込み、何とかウクライナを支援しようと、多くの国が立ち上がっています。
また、ロシア国内でも若者を中心に、戦争の即時中止を求めるデモが、連日起こっています。
どうしてこの戦争が起こってしまったのかと、その責任を追及しようとする声もありますが、今はまずこの無益な争いを止めることが先決でしょう。
責任の追及はそのあとで十分です。
ウクライナの予想外の抵抗や、世界中からの総スカンを食らって、プーチン政権は思惑が外れたようです。
中国との裏でのやり取りで、ウクライナの併合は、北京オリンピックと北京パラリンピックの間の、数日で済ませるという約束がなされていたようですが、思わぬ反撃で計画が大幅に狂ったようです。
このまま侵攻を続ければ、北京パラリンピックにも重なってしまい、中国の顔に泥を塗ることになりますが、それでもロシア軍は攻撃の手を緩めません。
世界中からの経済制裁で、ただでも大変な国民の生活が、さらに困窮し始めたというのに、プーチン政権は気にも留めていない様子です。
けれども、たとえウクライナを掌握したとしても、待っているのは国家の経済破綻であり、ロシアという国の崩壊でしょう。
それなのに戦いをやめようとせず、核爆弾の使用までちらつかせて、他の国々を威嚇するのは、正気の沙汰とは言えません。
プーチンの様子がおかしく、冷静な判断ができなくなっているようなのは、他の国々の首脳たちも気がついているようです。
その原因が何なのかはわかりませんが、とにかくまともな話が通じない状態にあるのは、間違いないでしょう。
そして、そんな狂った支配者が、核爆弾を使用する権限を握っているわけです。
これこそが、核兵器の弱点であり、本当の恐ろしさでしょう。
核兵器はあくまでも威嚇であり、本当に使うことはない、というのが、各国の考え方です。
もし使えば、使った方もやり返されて、生き残れる国など存在しなくなるからです。
ですから、核兵器は絵に描いた餅であり、使うことができない兵器のはずでした。
しかし、プーチンはそれを、これは絵に描いた餅ではなく、本物の餅だぞと主張したわけです。
もはや、核兵器は威嚇手段だという論理は、成立しなくなったのです。
日本でも、心療内科の入り口に石油を撒いて、そこに火をつけた男がいました。
その炎で多くの人が亡くなりましたが、男が火をつけた理由は、相手への恨みではなく、自殺への道連れだったと言います。
今のプーチンがやろうとしていることは、この狂った男と同じように見えてしまいます。
自分があってこそのロシアであり、自分が滅びるのであれば、そんなロシアに存在価値はない、とでも考えているような言動ですね。
ウクライナがどうなるかということに加え、核戦争が起こるのか、という不安や心配を、世界中の人々が抱いていることでしょう。
しかし、私は人々の平和を求める、心の強さが勝つと理解しています。
プーチンがこれ以上暴走する前に、今、ロシアにいる誰かが、これを止めることになるでしょう。
それが唯一の解決手段であり、また必ずそうなることでもあると思います。
世界に暴力はいりません。
他の人々への感謝と思いやりこそが、今の地球で求められていることです。
自分さえよければいいという人や、誰かを見下すような人たちは、これからの世界では求められていません。
ましてや狂った支配者など、どこにも居場所はありません。
それは、今の世界中の人々の様子を見ていれば、明らかなことでしょう。