アメーバに感染する細菌
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東京理科大学野田キャンパスの池から、新種のバクテリアが見つかったという記事がありました。
これは細菌より大きなアメーバに感染する細菌で、宿主の細胞外では生きていけない珍しい種類の仲間だそうです。
つまり、常にアメーバの中で暮らし、生きるも死ぬもアメーバと一緒ということです。
感染によって、宿主であるアメーバを死滅させては、自らも死滅してしまうので、アメーバとの共生が重要になるわけですね。
ところで、多くの生物の細胞の中には、ミトコンドリアという小器官があります。
ミトコンドリアは酸素を使ったエネルギー産生に関わっています。
ミトコンドリアがあることで、細胞は多くのエネルギーを利用することができるのです。
細胞核の遺伝子とは別に、ミトコンドリアの中にも遺伝子があり、細胞が分裂する時に、ミトコンドリアも複製されて、それぞれの細胞の中に維持され続けます。
このミトコンドリアは、元々細胞にあったものではなく、遥か昔に細胞の中に入り込んだ、ある種の細菌が、細胞と共生するうちに、細胞の一部へと変化したのではないかと考えられています。
このアメーバに感染する細菌は、このミトコンドリアの始まりを、示してくれているように思えます。
目立たない記事でしたが、進化の在り方を垣間見せてもらったみたいで、とても興味深い話でした。