親と子供 その2
人は何度も人生を繰り返すと考えると、一つの人生における両親とは、その人生における体を、提供してくれた人たちと言えます。
また、産まれたばかりの自分を、保護し育ててくれる人たちでもあります。
ただ、この保護して育ててくれる、というところは、それができない人たちも存在しているのが現状です。
話を戻して、自分という存在が、一つの人生に限定されない、心としての存在であると考えれば、一つの人生における両親は、両親の役目を果たしてくれている、別の心の存在ということです。
今の人生における両親も、別の人生では、自分の子供として、生まれているかもしれないわけですね。
その人生においては、自分の方が親の役割を、果たすことになるのです。
こんな感じで、人生における親子関係を、特別な関係ではあるけれど、絶対的な関係だと考えなければ、今の親子関係がうまく行っていなくても、そのことで自信を失ったり傷ついたりする必要はないわけです。
自分という存在を、心の存在として考えた時、では本当の自分の親は、どこにいるのだろうと思うかもしれません。
しかし、親という言葉、親という概念は、肉体を持って暮らす、この世界で作られたものです。
肉体を離れた心だけの世界では、親という概念は、通用しないかもしれません。
ただ、私たちの心が、もっと大きな心の分身だと見ることはできます。
そうなると、その大きな心を親と見なせるかもしれませんが、自分の意識を拡大させることで、小さな心から大きな心へ、意識を移せるとなると、親と思っていた相手は、自分自身だったとなります。
ちょっとわかりにくいですが、頭の中で複数の人物がいる状況、あるいは世界を想像してみて下さい。
その中の一人のキャラクターに意識を集中します。
あなたは、そのキャラクターとして、物事を考えます。
しかし我に返ると、元の自分に戻っています。
キャラクターは自分の心の中です。
この場合、キャラクターにとって、親はあなたになるわけですが、キャラクターもあなた自身です。
こんな感じで、心の世界では、こちらの世界でいう親子関係というものは、よくわからないかもしれません。
いずれにせよ、この世界での親子関係というものは、今の人生に限定されたものですが、あなたという存在にとって、絶対的なものではないのです。
多くの人生の中で、選ばれた親子関係であるならば、それがいい関係であれ、悪い関係であれ、その関係の中でなければ、学べないことがあるのでしょう。
とにかく、親と言っても他人です。
親子関係を過度に特別視せず、客観的に眺める視点を持つことが、大切だと思います。