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親と子供 その1

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 ※PexelsさんによるPixabayからの画像です。

誰にも親がいます。

父親と母親がいます。

私たちの体は、父親と母親の双方から遺伝子情報をもらい、父親とも母親とも似てはいるけれど、別の新たな存在として生まれます。

そのため、親と似ているか似ていないかで、喜んだり落胆したりします。

また、遺伝子情報を分けてもらって生まれたということで、他の人間との関係と比べると、親子関係というものは、特別なものになります。

それに、生まれたばかりの赤ん坊や、まだ独り立ちできない幼子にとって、自分の保護者である親は、やはり特別な存在です。

子供は純粋に親を慕い愛してくれます。

親の方も、自分の分身とも言える我が子を、とても愛して大切にします。

でも中には、我が子を嫌い、虐待する親もいます。

そんな親の下に産まれた子供は、心が深く傷つきます。

下手をすれば、命さえ失うこともあるのです。

特別な関係でなければ、他の人に育ててもらえばいいわけですが、やはり親子関係は特別です。

 ※Anastasia GeppさんによるPixabayからの画像です。

たとえ親切な人に、親代わりに育ててもらったとしても、実の親は自分を愛してくれなかったという想いが、ずっと心の奥に突き刺さったままです。

そこを何とか割り切って生きて行ける人と、いつまでも割り切れずに、いつも心のどこかにその悲しみが、くすぶった状態の人がいると思います。

割り切った人にしても、割り切っただけのことであって、悲しみがなくなったわけではありません。

この悲しみの原因は、親子関係を特別なものと、考え過ぎるところにあります。

親子関係が特別なのは当たり前なのですが、その特別さをどの視点から見るかによって、自分にとっての重要性が変わって来ます。

何が言いたいかと言いますと、自分という存在を、自分の体に固定された、切ない存在だと受け止めていることが、問題だということです。

自分というものを考える時、どうしても体は切り離せません。

自分と体は一体のものであり、体が失われた時、自分も消えてしまうという人生観を、多くの人が抱えているのではないでしょうか。

 ※ヤスジローさんによる写真ACからの画像です。

人生は一回こっきりで、自分が生まれて来た時には、すでに今の状況が決められていて、自分ではどうしようもない。

恵まれた環境に生まれる者もいれば、恵まれていない環境に生まれる者もいる。

心の中は、たった一度の人生なのに、こんな差があるのは不公平だという不満と、どうすることもできないという無力感ばかり。

こんな感じで、人生をあきらめてしまい、投げやりな生き方をする人は、少なくないように思います。

確かに、人生一回こっきりであるならば、この考え方も理解できますが、人生が一回こっきりでなければどうでしょうか。

また、自分という存在が、今の体に固定されたものではなく、この世界を越えた、もっと大きなものだとすればどうでしょうか。

これは自分が望んで始めた、多くの人生ゲームのうちの、一つに過ぎないとすればどうでしょうか。

そんな視点で親子関係を見つめ直すと、親子関係が特別であることには違いがありませんが、その重要性については、これまでと違った受け止め方ができると思います。