東京の人口減少
住⺠基本台帳⼈⼝移動報告の 2021 年の結果を、総務省が公表しました。
新型コロナウイルスの影響でしょうが、2020 年、2021 年の国内⼈⼝移動の様子が、これまでとは大きく違っており、東京や東京圏での転入超過数が、大幅に下落しています。
ちなみに転入超過と言うのは、人口の転入数が転出数よりも多い状態です。
つまり、人口がそれだけ増加しているということですね。
転入超過数が減少するということは、人口増加度が以前よりも緩やかになるという意味で、転入超過数が0であれば、人口数が増えも減りもせずに同じということです。
転入超過数がマイナスになる場合、逆に転出超過数がプラスになるのですが、これは人口が減少していることを意味しています。
上の図を見ると、東京都も東京圏も、2019年の転出超過数から崖のような形で、2020年と2021年の転出超過数が、下がっていることがわかります。
東京圏で見ると、まだ転出超過数はプラスですが、東京都はほとんど0で、特別区に至ってはマイナスに転じています。
これまで東京の一極集中が問題視され続けていましたが、それがようやく変化し始めたというところでしょう。
行政ではできなかったことが、コロナの影響によって可能になったということですね。
東京の特別区から他の東京圏である、神奈川県・埼玉県・千葉県への転出が多かったそうですが、東京圏全体の転入超過数が、大幅に下がっていることを見ると、東京圏外への転出がかなり増えているということでしょう。
上の図を見ると、東京圏の転入超過数の多さが目立ちますが、それでも2020年と2021年を比べると、2021年の数値が東京では、がくんと下がっているのがわかると思います。
多くの地域では、転入超過数はマイナスですが、2021年のマイナス度が、2020年よりも減っている所が多くなっています。
それは転出する人間が減ったのか、転入する人間が増えたかの、どちらかです。
大阪の転入超過数も、かなり減っていることから、都会から地方都市への移住が、増えていると言えるでしょう。
これは、とても好ましいことであり、人々の価値観が大きく変わって来ていることが、見て取れます。
この傾向が今後も続き、地方を中心とした新たな生き方が、これからの社会を動かして行くことに、大いに期待したいと思いますし、きっとそうなることでしょう。
総務省の発表したグラフでは、世の中が大きく変化をし始めたということが、目に見えてわかるのがいいですね。