憧れを行動に移そう
誰かに憧れることって、ありますよね。
あるいは、誰かというのではなく、誰かがやっている行動や行為に、憧れることもあるでしょう。
たとえば、大空を自由に飛んでみたいとか、イルカやクジラと一緒に泳いでみたいとか、いうものです。
ところで、野球のイチロー選手や大谷選手は、誰もがすごいなと思う選手です。
彼らに憧れる人は多いと思いますが、イチロー選手や大谷選手個人に憧れる人と、彼らのようなスーパースターになりたいと憧れる人、あるいは彼らの物事へ取り組む姿勢に憧れる人と、どんな所に憧れるのかは様々でしょう。
いずれにしても、憧れるということは、そこへ気持ちが惹かれているわけです。
あんな人になりたい、あんな人と友だちになりたい。
あんなことがしてみたい、こんなことができるようになりたい。
あそこへ行きたい、こういう所に住んでみたい。
憧れは、本当にいろいろです。
しかし、それぞれの憧れに共通して言えることがあります。
それは、今の自分にはないものが、そこにあるということです。
ただ、その憧れをモチベーションとして、自分の生き方や行動を、それまでとは違う方へ変えて行く人もいれば、憧れは憧れとして置いたまま、それまでと同じ暮らしを続ける人がいます。
どちらの生き方を選ぶかは、本人の自由であり、そこに優劣はありません。
でも、憧れたまま動かなければ、後悔を残すことになるかもしれません。
では、憧れに向かって行けば、悔やむことはないのかと言うと、そうでもありません。
憧れたものに向かって突き進んでも、必ずしも満足できるとは限りません。
憧れていた時には、わからなかったことを知るようになると、憧れの気持ちがしぼんでしまうこともあります。
田舎暮らしに憧れて、実際に田舎に移住したら、不便なことや人間関係で悩むことになった、という話は、よく聞く話です。
有名なスポーツ選手に憧れて、同じスポーツを始めてみたけれど、練習がきつくて続けられなかった、ということもあるでしょう。
幸せな結婚生活に憧れて、適当な人を見つけて一緒になったものの、思っていたような暮らしではなく、離婚を考えているということも、少なくないかもしれません。
憧れに従ったのに、結果的にはうまく行かなかった。
もう憧れなんかに従うものかと、思ってはいけません。
憧れに従って動くというのは、よさそうな服を見つけて、それを試着してみるのと同じです。
試着した姿を鏡で確かめて、これだと思う人もいれば、他の服も試してみようかな、と思う人もいます。
憧れに従ってみたけれど、思ったようなものではなかった、というのは、試着した服が思ったほどではなかった、というのと同じです。
いいも悪いもありません。
気に入らなければ、別の服を試着するだけのことです。
憧れも同じです。
うまく行かなかったとしても、そこに何か惹かれるものがあったのは事実です。
自分の好みの方向性を、わからせてもらえたことでは、一つも損はしていません。
損をしたと言うのであれば、気に入った服があるのに、試着すらしないであきらめる人でしょう。
つまり、何かに憧れているのに、自分には無理だとか、恥ずかしいからと言って、一つも憧れに近づこうとしないのは、損だということです。
自分の人生です。
誰に遠慮することもありません。
憧れから逃れていては、何が自分に合うのか、自分が何を求めているのか、わからなくなってしまいます。
憧れたことに挑戦したけれど、うまく行かなかったとしても、また挑戦すればいいのです。
初めの憧れがうまく行かなかったのは、そこについての情報や理解が、足らなかっただけのことです。
新たな憧れは、そこの所を踏まえたものになるでしょうから、うまく行く可能性は高まります。
それでもうまくいかなければ、どうなのか。
もう一度、憧れに従うだけのことです。
繰り返すにつれて、憧れの精度は高くなって行きます。
憧れに向かう本気度も、どんどん高くなって行きます。
失敗を恐れずに、憧れたものがあれば、どんどんそこへ近づいてみて下さい。
あ、いいなと思ったら、とにかくやってみることです。
憧れは、自分が何に惹かれるのかを、見極めさせてくれます。
それは人生の方向性であり、自分の生き様を示してくれるものです。
何かに憧れたなら、恥ずかしがらずに、その憧れを追求してみて下さい。
きっと、新しい生き方のヒントが見つかるでしょう。