あなたはパペット? その3
知らない間に見えない糸となって、行動を制御する価値観の多くは、身近な人からもらい受けたものです。
それは親や兄弟姉妹、親戚や近所の人、学校の先生や友だち、職場の上司や先輩、それに同僚たち。
そんな身近な人たちが、何の悪気もなく、ごく当たり前という感じで話すことは、あまり警戒することもなく、そんなものなのかと素直に受け止めてしまいます。
その価値観の糸により、あなたを支配しようとする場合もあるでしょうが、大抵の場合は、そのような意図はないまま、自分が信じる価値観を、よかれと思って伝えるのです。
そして、結果的にはみんなが同じ糸で操られる、パペットになってしまうのです。
でも、みんなが同じ状態なので、誰も自分がおかしいとは思いません。
逆にパペットになろうとしない者を、異質な人間として見てしまいます。
また、同じことをあなた自身が、他の人や自分の子供にするのです。
もちろん、よかれと思ってやるのです。
このように、人々を支配する価値観は、みんなの善意の気持ちを、うまく利用して拡散されて行くわけですね。
利用されないためには、どうするのか。
それは、当たり前だと思っているようなことでも、どうしてそうなのかということを、改めて考えてみることでしょう。
そうすれば、昔であれば当たり前だったかもしれないけれど、今の時代にはそぐわないな、と思えるような価値観が、すぐに見つかることでしょう。
また、誰かが悲しんだり苦しんだりするような価値観や、誰かをのけ者にするような考え方は、絶対におかしいと思えばいいのです。
もし、一部の人間だけが優位になるような価値観、あるいは一部の人を貶めるような価値観であれば、関係ない者までもが共有する必要はありません。
~でないとだめだ。
~でなければいけない。
~した方がいい。
このような語尾がつく価値観は、人をコントロールしようというものです。
何をどうするのか。
そんなことは、誰かに言われて決めるのではなく、自分で考えるものです。
考えることをしない人は、すぐにこのような支配的な価値観を受け入れます。
その方が考えなくて済む分、楽だからです。
逆に言えば、支配的な価値観は、人から思考能力を奪います。
それは宗教でよく見受けられますが、政治や学問の世界でも、よくあることです。
価値観は自分で考えて決めることですし、一度手にした価値観も、状況に応じて見直すだけの、心のゆとりが必要です。
人間として成長したい、人間として喜びを感じたい、そう思うのであれば、その気持ちに従った価値観だけを、身に着けるようにすればいいでしょう。
自分に不要な価値観は、さっさと捨て去るのが一番です。
そうすれば、とても気持ちが楽になって、自由を得た気分になるでしょう。
それはパペットであることから、解放されるということです。
あなたを束縛するものは、もうありません。
あなたは自由を謳歌して、本当の自分の人生を、送ることができるでしょう。