夢をどう見るか その1
変な夢を見ました。
何故か私は、中東と思われる地域の、小さなホテルにいるのです。
窓から町の様子が見えますが、突然、そこがイスラム過激派のような集団に襲われ、支配されるのです。
人々は強制的に集められ、どこかへ連れて行かれます。
ホテルも安全とは言えないのですが、いずれホテルにも彼らの支配が及ぶのは必至です。
そうは言っても、身の危険のことを考えるのならば、今はホテルに籠もっているのが安全で、外には出ないようにするべきだという思いがありました。
一方で、外の様子を直接確かめてみようという気持ちもあり、私はホテルの階段を下りて、外へ出たのです。
すると、すぐに過激派の男が現れて、ホテルにはもう戻れないと伝えて来ました。
話す言葉は日本語ではないのですが、何故か言わんとしていることは、こちらに伝わります。
私は素直に従いながら、自分はホテルに宿泊しているのだが、どうすればいいのかと男に問いかけました。
面白いもので、日本語なんか通じないのですが、私の考えは相手に通じます。
男は上の人間に相談して来ると言って、どこかに姿を消しました。
そこで私は目が覚めたのです。
それから私は、今の夢はいったい何だったのかと考えました。
別に中東の事件をニュースで見たわけでもないし、中東に興味があったわけでもありません。
最近の話題に中東が出て来たこともないですし、中東のことを考えたこともありませんでした。
それなのに、こんな夢を見たのはどういうことなのか。
この夢が自分に何を伝えようとしているのかと、私は考えました。
そこで思ったのは、何かを象徴するために、中東というイメージが使われたのだろうということです。
この夢の中東のイメージは、実際の中東を示しているのではなく、私の中にある中東のイメージです。
私にとって中東は、どこにイスラム過激派がいるのかわからない、怖い所というイメージがあります。
それで、こんな夢を見たのでしょう。
また中東は、私には全く馴染みがない所で、言葉も生活習慣も法律もわからない所です。
右も左もわかりませんし、そもそもどうして自分がそこにいるのかも、わからないわけです。
そんなところに、突然思いがけない大問題が発生し、そこに巻き込まれて身動きが取れなくなるという状況です。
幸いにもパニックにならずに、過激派の男と紳士的に会話ができたため、大変なことにはならずに済みそうな感じでしたが、本当のところはどうなるのかわかりません。
ホテルに潜んでいたとしても、いずれは過激派がホテルにやって来て、同じように捕まっていたはずです。
しかし、外はすでに占拠されているので、逃げようにも逃げられません。
逃げても逃げなくても、同じ運命が待ち構えているわけです。
あとは、どのように対処するかぐらいでしょう。
パニックになって泣きわめくのか、全てをあきらめて奴隷になることを受け入れるのか、過激派の男に喰ってかかって撃ち殺されるのか、あるいは相手と交渉をして、何とかうまく立ち回るのか。
いずれにしても、そこに安全も喜びもありません。
そんな状況を示すために、夢は中東という地域を利用したのでしょう。
しかし、そこにどんな意味があるのでしょうか。
夢は私に何を伝えようとしていたのでしょう。
そこで私は考え、なるほどと思いました。
私が見た夢の中東の状況は、現在の日本で多くの人が抱えている、問題そのものなのだということを、夢は伝えていたのでした。