SDGsの広がり その1
SDGs(エスディージーズ)とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年に国連サミットで決められた、国際社会共通の目標です。
SDGsでは17の目標が掲げられています。
それは次のようなものです。
1 貧困をなくそう
2 飢餓をゼロに
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
5 ジェンダー平等を実現しよう
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8 働きがいも 経済成長も
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
10 人や国の不平等をなくそう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任 つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
15 陸の豊かさも守ろう
16 平和と公正をすべての人に
17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsの前には、MDGs(エムディージーズ)というものがありました。
SDGsは、2015年に達成期限を迎えたMDGsに代わる、新たな世界目標として定められたものです。
ちなみに、MDGsの目標は以下の8つです。
1 極度の貧困と飢餓の撲滅
2 初等教育の完全普及の達成
3 ジェンダー平等推進と女性の地位向上
4 乳幼児死亡率の削減
5 妊産婦の健康の改善
6 HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
7 環境の持続可能性確保
8 開発のためのグローバルなパートナーシップの推進
このMDGsは、先進国による途上国の支援を中心とする内容でした。
それに対して、SDGsは誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって目標を達成するというものです。
そのためか、日本でもあちらこちらで、SDGsという言葉を耳にしますし、テレビでもSDGsについての啓蒙が行われています。
MDGsの時には、このような動きはありませんでした。
つまり、MDGsは政府やマスコミも、他人事のように見ていたのでしょう。
ところが、SDGsについては国としての義務、という認識に変わったようです。
その背景には、世界中を襲う異常気象や、もう見て見ぬふりができなくなった、様々な社会問題があります。
また、SDGsに取り組むことで、クリーンなイメージを作ろうという、企業の思惑もあるでしょう。
下心と言えば、下心ではあるのですが、動機はともかく、人類全体が同じ方向を向いて動き出した、という点は、大いに評価できることだと思います。
SDGsとは、要するに自分勝手なこと、自分さえよければいいという考えをやめて、他人や自然に対する思いやりを持ち、喜びを共有しようというものです。
初めは義務や責任、あるいは宣伝や経済的有利性などが、動き出すモチベーションになるでしょう。
しかし、やっているうちに、誰にとっても当たり前のことになってしまうと、いつの間にか素晴らしい社会が、生まれていたということになるのです。
17の項目を全部覚えて、それを実践するというのは、ややこしく難しいように見えますが、他人や自然への思いやりを持つ、ということに終始していれば、全てはうまく行くでしょう。