> 悩まれている方へ > 行き詰まり > 嫌な相手と自然災害 その1

嫌な相手と自然災害 その1

この記事は3で読めます。

嫌な人が来た。
どうしよう、どうしょう。
また何かされるかもしれない。

嫌な想いをさせられた人物が、近くにいるだけで、パニックになることがあります。

実際は、相手が何もしなくても、不安と恐怖で一杯になってしまいます。

 ※Gerd AltmannさんによるPixabayからの画像です。

あるいは、相手と遠く離れた場所にいても、いつも心は落ち着かず、ふとしたきっかけで、不安や恐怖が一気に膨れ上がります。

そんな自分が嫌になっても、どうすることもできません。

あんな奴、死んだらいいのにとか、苦しみ続ければいいのにと、思い続けてしまいます。

でも、そんなことばかり考えても、自分が幸せになれるわけではありません。

言い換えれば、そんなことを考え続けている限り、幸せが訪れることはないのです。

それは、自分の幸せを薪にしながら、相手を恨む炎を、燃やし続けている構図です。


似たようなことですが、ちょっと状況を変えて考えてみましょう。

自分に嫌な想いをさせた人物を、自然災害に置き換えてみます。

 ※Joseph thomasさんによるPixabayからの画像です。

今、世界では自然災害が猛威を奮い、日本でも毎年多くの方が、災害によって命を奪われ、家族や友人を失い、家や財産もなくしています。

それは、大変なショックであり、生き残った方の心に、深い傷をつけてしまいます。

水害の被害に遭われた方は、しばらくの間、川や海などに対して、恐怖心を抱くでしょう。

土砂崩れの被害に遭われた方は、急な斜面や山の近くに近寄るのが、怖いと思います。

でも、やがて穏やかな日々が戻り、何事もなかったような風景になると、長い時間をかけながら、自然に対する恐怖心は、和らいで行くでしょう。

大切な人や物を失った悲しみは忘れなくても、海や山を見てパニックになることは、なくなると思います。

自然を恨んだり、自然を呪うようなこともありません。

自然はどうすることもできませんから、そのような気持ちにはならず、自分の運が悪かったと受け止めるのです。

ただ、普段は穏やかでも、猛威をふるう時もあるのだと、自然に対するとらえ方は、以前とは異なって来るでしょうし、それなりの対処も覚えるでしょう。

また、自分を支えてくれる人々への感謝を持ち、楽しいことへ気持ちを向けて、自分が笑うことを許せるようになります。

 ※Madalin CalitaさんによるPixabayからの画像です。

ところが、相手が自然ではなく人間になると、様子が違ってしまいます。

いつまでも悲しみは続き、相手への怒りや恨みは終わりません。

自分を気遣ってくれる人たちを、思い遣ることもできず、自分の人生はおしまいだと決めつけ、楽しむことも笑うこともあきらめてしまいます。


この差はいったい何でしょうか。

それは、相手が自分と同じ立場の存在かどうか、ということです。