呼吸をする理由
呼吸をするのは、どうしてだと思いますか。
酸素を体内に取り込み、二酸化炭素などのいらないものを、外へ吐き出すためですよね。
こんなことは小学生でも、理解しているでしょう。
でも、その理解は単なる知識としてであり、本当の意味で理解しているとは限りません。
それは大人にとっても、同じことが言えます。
呼吸ができないと、死んでしまいます。
必要なものが取り込めませんし、不要なものを排出できないからです。
生きるためには、必要なものを取り込み、いらないものを捨てる。
これは体のことだけでなく、私たちの生活や、心の有り様にも、言えることです。
何故なら、心も体も全てはエネルギーでできているからです。
体に言えることは、心にも言えるのです。
体はその構成要素であるタンパク質や糖分、脂肪などを、飲食によって取り込みます。
酸素はそれらの養分を、利用する際に使います。
私たちの心はどうでしょうか。
あなたが何かを考えられるのは、まず知識が心の中に、取り込まれているからです。
知識の多くは、自らの経験によって、もたらされますが、本や他人の経験などからも、手に入れることができます。
しかし、知識だけではどうにもなりません。
それらの知識を組み合わせ、自分がどういう行動を取るのか、判断をしないといけません。
それが価値観です。
同じ知識を持っていても、その知識の活用の仕方が異なると、それは行動の違いとなって現れます。
たとえば、食べ物を買う時に、食品添加物が多い物と、添加物が入っていない物があったとします。
値段はそれなりで、添加物が多い方は安いですし、無添加の方は高いです。
ここに、食品添加物が体に悪いという知識を、持っている人が二人います。
一人は健康より、経済的なことを重視しています。
もう一人は、経済的なことよりも、健康を重視しています。
どちらが正しいとは言えませんが、二人は価値観の違いにより、それぞれ別の食べ物を選ぶわけです。
この二人が、生活状況や体調などの変化により、別の価値観を持つことは考えられます。
その場合、これまでの価値観は現状に合わなくなったとして、捨てられます。
そして、代わりに新しい価値観を取り込むのです。
どうですか、呼吸に似ていると思いませんか。
体に栄養が足らないと、栄養失調になりますが、心も知識が足らないと、貧弱になります。
ですから、知識はとても大切ですが、せっかく取り込んだ知識も、上手く活用できなければ、宝の持ち腐れですし、知識がないの同じになります。
食べているはずなのに、不健康そうに見えるのと同じですね。
新鮮な空気を胸一杯吸い込むように、力が漲るような価値観を、取り込みましょう。
そして、いらなくなった古い価値観は、手放して心を軽くするのです。
価値観を整理すると、いかに自分が様々な価値観に、縛られていたのかがわかると思います。
価値観に縛られるのではなく、自分が価値観を利用しているのだ、という認識を持ちましょう。