誰の価値観か その3
価値観は、服を着替えるように、変えることが可能です。
服を着替えるのは、その服が季節に合わなくなったとか、破れてしまったとか、好みが変わってしまったとか、そういう理由があるからですね。
それと同じように、これまで自分が持っていた価値観も、今の自分には不要だと思えば、新しい価値観に変えればいいのです。
価値観を変えたところで、自分という存在は、何も変わりません。
価値観を変えると、自分が自分でなくなると思うのは、間違っています。
これが自分のファッションだと言って、零下何十度という所を、両足をむき出しにした、ミニスカート姿で訪れた女の子が、両足の凍傷になったという記事を、以前に読んだことがあります。
価値観と自分を一体化させて、時代が変わっても価値観を変えないままでいると、この記事の女の子のようになるでしょう。
いずれにしても、自分で意識的に選んだ価値観であれば、変更することは、さほどむずかしくはありません。
と言うのは、その人は考えて価値観を決めているので、考え直すことで価値観を変えられるのです。
なかなか価値観を変えられないのは、知らない間にすりこまれた価値観です。
自分で本当に納得して選んだものでない価値観は、結構心の深くに、根を張っています。
その価値観でつらい思いをしているのに、その価値観を心から引き抜こうとすると、かえって心に不安を感じるのです。
それは、この価値観が引き抜かれまいとして、心にしがみついているからです。
それでも、すっぱり引き抜くことに成功すれば、その人は、それまでにない爽快感を感じることができるでしょう。
結局は、自分の気持ち一つなのです。
とにかく、自分を快適にしてくれる価値観は、維持していればいいのです。
自分を不快にさせる価値観は、他人に都合のいい、他人の価値観ですから、さっさと捨ててしまった方がいいでしょう。
自分は本当に、自分のために生きているのだろうかと、考えてみることが、価値観が誰のものであるのかを、見極めるきっかけになると思います。