意識と時間
意識と時間は、切っても切れない関係にあります。
意識の活動には、必ず時間という要素が、必要となります。
時間が凍りついた状態では、意識も凍りついて、活動ができません。
時間の変化なしに、何かを思考できるか、確かめてみて下さい。
あなたが何かを考えたり、何かを感じたりしている間、時間は必ず過ぎて行きます。
この時間とは、時計の針の動きのことではありません。
心の中にある時間です。
たとえば、ほんのわずかな時間、うたた寝をした時に見た夢で、1時間以上の時間が経ったと思っていたのに、目座覚めてみると、5分ほどしか経っていないということが、あると思います。
嫌な仕事をしている時は、時間がなかなか流れないような気がします。
でも、好きな仕事をしている時は、知らない間にかなりの時間が、経っているということがあります。
心の外の世界と、心の中の世界とでは、時間の流れ方が、異なることがあるのです。
私がここで述べている時間とは、意識の活動が関わる時間です。
覚醒している時には、基本的に外の世界と同じ、時間の流れになります。
外の世界の時間に、心の時間を同調させるのですね。
しかし、ぼんやりしていたり、夢を見ている時など、意識が外の世界から遮断されている状態では、意識は外の世界とは、違う時間の流れにいるのです。
いずれにしても意識の活動に、時間の流れはつきものです。
時間の流れがなければ、意識は活動できません。
でも、これは意識と時間を、別物と考えての話です。
実は、時間というものは、意識の一つの側面なのです。
意識と時間とは別々にあるのではなく、意識の変化を時間という言葉で、表現しているだけなす。
意識は変化がなければ、存在していないのと同じです。
何らかの変化が生じるからこそ、それを活動と呼ぶことができるのです。
そして、その変化は時間に応じて起こるのではなく、変化する状態を、時間の流れという言葉で、表現しているのです。
意識がなければ、時間も存在しません。
でも、私がこの世を去ったとしても、この世界は残り続け、この世界の時間は流れ続けるでしょう。
それは、この世界自体が、大きな意識だからだと言えます。
世界の意識は、私たち人間がイメージするような、意識ではないでしょう。
でも、世界の本質は精神エネルギーだと理解すると、時の流れが存在していることに、納得が行くと思います。
私たちの意識は、直接この物質世界に、存在しているのではありません。
物質で構成された肉体を介して、この世界を体験しているだけであり、この世界に直接関わっているわけではないのです。
目覚めている間は、肉体を通して認識する、この世界独特の時間の流れに、自分の意識を合わせています。
しかし、ぼんやりしたり眠ったりして、この世界とのつながりがなくなると、本来の自分の意識の持つ、時間の流れで思考するのです。
それは、私たちの意識が、直接には物質世界に、関わっていないからなのです。
意識と時間は、別物ではありません。
意識のあるところに、時間は存在します。
また、時間が存在しているところには、意識が存在しているのです。