建築物に思うこと2
いい家族に恵まれ、仕事一筋で生きる人が、急に何もかも嫌になってしまう、という事があります。
人間関係でこじれた、というのではありません。
それなのに、好きでやっていたはずのことが、続けられなくなってしまうのです。
ちゃんと家族の大切さは、理解しています。
それでも活躍できなくなるのは、家族とは別の心の基盤が、だめになっているのです。
人間は生きて行く上で、個人的な価値観に加え、社会的な価値観を考慮します。
そうすることで、他人との摩擦を防ぎ、表面的に上手くやっているように、見せるのです。
やりたくないと思う仕事でも、笑顔でこなさなければなりません。
初めはやりたいと思って、始めたことなのに、いつの間にか、やらなければならない状況になっている。
そんなことって、ありませんか。
何とかこなしているので、特に問題はないし、それなりの達成感は得られる。
みんなも頑張っているのだから、自分もこのまま頑張ろう。
そう思って続けていると、心の本音がこらえきれなくなって、ノーを突きつけることがあります。
頭の配線が、切れてしまったみたいになって、全てを拒絶してしまうのです。
本当は、自分は何をしたかったのか。
そこに気づくまで、頭はずっと休息モードです。
人は仕事のために、生きているのではありません。
自分という存在を表現し、それを受け入れてもらえる、仲間を求めているだけです。
仕事こそが自分の生きる道だと、思い込んでいたのに、その仕事ができなくなると、情けなくなって、自分を責めたくなるでしょう。
しかし責めたところで、どうなるものでもありません。
かえって自分を、追い詰めてしまうだけです。
これは自分の本音、本当の想いを、貫けなくなっているのです。
自分の本当の気持ちというのも、心の基盤なのです。
人は自分の気持ちに、従って生きています。
それが、その人の自然な姿なのです。
自分の気持ちに従えない。
自分の本当の気持ちがわからない。
これでは、どう生きていいのか、わからなくなってしまいますね。
基づくべき指標が、ないわけですから。
家族と自分の本音。
どちらも人生を歩む時の、心の基盤であり、拠り所です。
困った時には、そこへ立ち返れば、仕切り直せます。
しかし、家族がいないという不安があったり、自分の本音がわからないと、立ち返りようがありません。
そんな時は、この世界について、深く考えましょう。
世界の中での、自分の立ち位置がわからないから、心が乱れるのです。
これも家の基礎と同じですね。
ほとんどの人に、無視されがちですが、ここの部分が一番重要な、心の基盤なのです。
この世界とは、どのようなものなのか。
そこについての自分の認識を、まず整理します。
何故、自分は生きているのか。
死ぬことの、何を恐れているのか。
何故、自分は人間なのか。
人として生きるとは、どういうことなのか。
あの世はあるのだろうか。
前世は存在するのか。
過去はどこへ行ってしまったのか。
未来はどこから来るのだろう。
子供の頃に考えて、答がわからないまま、放置していた問題ばかりです。
素人が考えても、わかるはずがないと思わないで、できる範囲で考えて下さい。
絶対的な答が、必要なのではありません。
自分なりの解答が得られれば、それでいいのです。
じっくり時間をかけて考えて、情報が足らなければ、調べて下さい。
そうして、これまでと違った世界観や、人生観が得られたならば、成功です。
あなたは、あなたを束縛していた、古い価値観から解放されて、自由の身になれます。
家族がいないことで、悩まなくなるでしょう。
本当の気持ちも、わかるようになります。
その時、あなたは素敵な人生という家を、建てることができるのです。