世界は変わるもの1
人は安定を好みます。
何かに挑戦しようという、気持ちを持ちながらも、足下は安定していて欲しいのです。
足下が安定していないと、ふらついて何かに挑戦どころではないからです。
そこで、何かに挑戦する前に、先に足下の安定を図ろうとします。
具体的に言えば、経済的な安定ですね。
経済的な安定は、衣食住の安定につながります。
結婚して家庭を持ち、子供を産み育てるにも、経済的安定は必要です。
それで結局は、ずっと経済的安定のために働き続け、何かに挑戦する余裕を、持たずに過ごしがちになります。
場合によっては、挑戦する事すら、思い浮かばなくなっているかも知れません。
そこまでして頑張っているのに、世の中が突然、それまでとは違った姿を見せると、途端に足下は不安定になってしまいます。
かろうじて立ち続けられる人は、まだいいですが、中には立っていられずに、倒れてしまう人もいるでしょう。
お金や資産を、たくさん持っている人であれば、少々足下が揺れたところで、びくともしません。
しかし、予想以上の大きな揺れが来ると、どんなに構えていたとしても、ガラガラと足下が崩壊するのです。
最近になって時折見られる、自然の猛威は、どれも人間にとっては、想定外のものばかりです。
逆に言えば、想定が甘いわけです。
長い地球の歴史の中で、人間が知っている自然など、ほんの一瞬の姿でしょう。
その一瞬の姿を見て、全体がわかったつもりでいるから、痛い目に遭うのです。
それと同じで、経済状態や国同士の関係も、私たちが直接知っているのは、歴史の中のほんの一瞬なのです。
その一瞬の安定の中で、世の中が永遠に今の状態にあると、信じてしまうのが間違いです。
自然もそうですし、世の中も常に変化をしています。
小さな変化を繰り返しながら、それが突然大きな揺れになるという事は、別に不思議な事ではありません。
私たちがそこに着目しようと、しなかっただけの事です。
大きな企業に勤めている人も、中小企業に勤めている人も、自分たちが働く環境が、ずっと同じ状態で続くと、考えてはいけません。
正規雇用でない、契約社員や派遣社員の人たちも、死ぬまで今のまま行けるとは、考えない方がいいでしょう。
しかし、これは不安を煽っているわけではありません。
足下が不安定になる事を、恐れるなと言いたいのです。