ベーシックインカム
ベーシックインカムとは、生活に必要最低限のお金を、国民全員に給付する制度です。
全員ですから、年齢や性別、職業や収入などによる、区別はしません。
生活保障と少し似ていますね。
いわゆる生活保障と違うのは、このお金を受け取るための、条件がないということです。
生活保障では、他に収入があると受け取れません。
財産があってはだめです。
ベーシックインカムには、そんな制約が一切ないのす。
そんなことをすれば、働かなくなるのではないかと、心配する人もいるでしょう。
確かに、生活保障を受けながら、パチンコ通いをする人もいます。
もらったお金を、全部お酒や賭け事に使う人もいます。
しかし、お金を稼ぐ必要がなければ、働くモチベーションがなくなる、という考えは、お金が全てという価値観に、基づいたものでしょう。
お金の心配があるから、お金を目的に働くのです。
お金の心配がなくなれば、自分のために働くようになります。
嫌な仕事はしなくなり、好きな仕事に専念するのです。
保障を受けながら、娯楽に興じる人たちは、他に夢中になれるものが、ないのでしょう。
何が自分のためになるのか、自分が何をしたいのかが、わからなくなっているのです。
自分の存在価値や自信を、見失っている人も多いと思います。
また、生活保障による収入制限のために、働く意欲を失っているのかも知れません。
生活保障という形で、お金をもらうと、いろいろ窮屈な思いをするでしょう。
そういうお金を受け取ることで、自分が落ちぶれたと、受け止める人もいると思います。
だけど、国民全員がもらえるお金であれば、何の遠慮も気兼ねもいりません。
それに、他で仕事をしたからと言って、その分を減らされることもないのです。
収入が不安定な人や、職場を掛け持ちしなければならない人は、多いと思います。
必死に働いても出費がかさみ、貯金なんかする余裕もありません。
しかし、そこにベーシックインカムのお金が、加算されたらどうでしょうか。
少しぜいたくな暮らしを、楽しむことができます。
そうすれば、生活に張り合いが出て来ますよね。
堅実に、貯金に回すこともできます。
貯金がある程度貯まったら、それを元手に、以前からやりたかった仕事が、できるかも知れません。
お金をもらう事で、働く意欲が失せるのではありません。
かえって、意欲が湧いて来るのです。
実際、世界のいろんな国で、ベーシックインカムの試験が行われ、いい感触を得ているようです。
貧困率や犯罪率が下がった。
生活が向上した。
子供の死亡率が減った。
これらは、とても魅力的な結果です。
ただ問題はその財源を、どう確保するかです。
基本的には増税が必要となるでしょう。
それが消費税になるのか、所得税になるかはわかりません。
企業が税金を支払うのが嫌で、国外へ逃げてしまうことも、考えられるそうです。
そのため、ベーシックインカムの取り組みには、国際的な協力や約束が、求められるようです。
なかなか大変そうではありますが、これが上手く行けば、今よりも働きがいのある暮らしが、できるようになるでしょう。
そのためには、国民一人一人もそうなのですが、企業が協力して、納めるべき税金を、きちんと納めることが大切です。
損をすると思うから、拒みたくなるのです。
納めた税金で生活が潤い、従業員たちも、活き活き働くようになると思えば、少しも損ではありません。
でも本当に大切なのは、損得勘定ではなく、助け合いの精神だと思います。
普段から助け合い精神に基づいた、こういう制度を整えておく事が大切です。
そうすれば、コロナ騒ぎのような事が起きても、今みたいに生活におびえる必要はないのです。
もちろん、この制度だけで全てが、上手く行くわけではありません。
他にも思いやりのある制度を、いろいろと整える必要があると思います。
それでも、最も生活に直結した制度は、何より最優先で進めて行くべきでしょう。
コロナウィルスで深刻なダメージを受けたスペインでは、この制度を導入することを決定したと言います。
ただし、この場合の対象者は国民全員ではなく、貧困層に限定してのものだそうです。
それでも、お金に困っている人には朗報でしょう。
早く日本でも、こういう制度を、取り入れてもらいたいものです。