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夢の解釈 その4

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 ※acworksさんによる写真ACからの写真です。

夢で見た事が、本当に起これば、それは正夢だったという事になります。

でも、実際にそれが起こるまでは、それが正夢だったのかどうかは、わかりません。

たとえば、宝くじを買って、一億円が当たる夢を見たとします。

それで、急いで宝くじを買いに行っても、当たるとは限りません。

夢を見ている時には、それが正夢だとはわかりませんし、目覚めた後でも、わかりません。

正夢かどうかは結果論であって、あとになってみないと、わからないのです。

ただ、正夢と思われるような出来事が、実際にあるから、正夢という言葉が、生まれたのだと思います。

それを偶然という言葉で、片づける事は簡単です。

でも、偶然だという証拠は、どこにもありません。

偶然という言葉は、説明するのが困難な時に、都合良く用いられる言葉です。

そもそも偶然というものが、本当にあると言えるのかと、いう事でもあります。

 ※StockSnapさんによるPixabayからの画像です。

物理学者は、宇宙の全てを説明できる、法則を見つけようとしています。

数学者も、宇宙の全てを表現できる、数式を求めているでしょう。

それは、そういうものがあると、信じているからです。

そのような法則、数式があるのだとすれば、偶然というものは、存在しない事になります。

そして恐らく、それは正しいのだと、私は思います。

偶然がないのであれば、夢に見た事が、現実に起こる現象を、どうやって説明できるでしょうか。

私たちの通常の意識では、未来を見透す事はできません。
一瞬の後の事も、察知できないのです。

しかし、無意識の領域においては、未来の出来事を、知る事ができるのでしょう。

その情報が夢として、表現されたものが、正夢なのです。

では、どうして無意識は未来の事が、わかるのでしょうか。

私たちは、一瞬一瞬の事しか、認知できません。

でも、無意識は一瞬一瞬の全てを、全体的に認知できるのでしょう。

 ※Irina KuzminaさんによるPixabayからの画像です。

私たちの意識は、表面的な意識、潜在意識、無意識という風に、分類されます。

これらの意識は、常に重なって存在しています。

表面的な意識は、一つの肉体に焦点を合わせた意識です。

肉体が眠ってしまうと、この意識も休止状態になります。

覚醒時は表面的な意識の活動で、潜在意識や無意識の活動は、分かりにくくなっています。

昼間に太陽が出ていると、月や星が見えにくくなるのと同じです。

太陽が沈むと、それまで見えなかった星々や月が、夜空に光輝き始めます。

意識についても同じで、表面的な意識が活動を止めると、潜在意識や無意識が、その人の意識の中心を占めるようになります。

つまり、私たちは眠る間に、意識を失っているのではなく、別の意識に変容していると言えるでしょう。

表面的な意識が、一瞬一瞬に焦点を合わせる意識であるのに対し、無意識は全ての瞬間を、把握できる意識なのかも知れません。

人の意識が睡眠中に、無意識として活動しているのだとすれば、私たちは睡眠中には、何でも知っているわけです。

ただ、目が覚めると、元の一瞬しかわからない意識が、意識の中心となります。

この意識は、無意識の情報を、そのままでは理解できませんから、何もわからない状態です。

 ※Marcel LangthimさんによるPixabayからの画像 です。

自分が進む道の先に、恐ろしい獣が待っていたとしましょう。

通常の意識は何も知らずに、そのまま突き進みます。

でも、無意識の自分は、その先が危険である事を、知っています。

それを忘れては大変なので、夢を通じて、何とか無意識の情報を、表面的な意識に残そうとするのです。

つまり、正夢や予知夢というものは、重要と思われる未来の情報を、無意識から表面的な意識に、伝えようとするものなのだと思います。

他の夢同様、正夢を見ていたとしても、目が覚めた時に、覚えていない事もあるでしょう。

でも、危険が迫っている時に、何だか気分が落ち着かないとか、不安な気持ちになるという事が、あるかも知れません。

嫌な予感とか、虫の知らせとかいうものは、こういう事ではないかと思うのです。

夢は覚えていないけれど、無意識で察知した事が、何となく伝わっているという事でしょう。


未来を察知する夢で、似たようなものに、霊夢と呼ばれるものがあります。

辞書によると、神仏のお告げがある不思議な夢と、説明されています。

夢の中に、仙人のような人が現れて、身の危険を知らせるというものです。

 ※Free-PhotosさんによるPixabayからの画像です。

これも自分の無意識が創った、イメージの可能性はあります。

でも、他の誰かの意識から伝わった、テレパシーが映像化されたものかも知れません。

夢の中で、忠告してくれた人物が、既に亡くなっている親戚だった、という話もあります。

それは亡くなっても、意識が残っているという意味です。

また、亡くなった人とも交流ができる、という事でもあります。

悪夢にしても、正夢や霊夢にしても、そこから意識の構造や、世界の本当の姿というものを、イメージする事ができます。

それは、とても意義のある事では、ないでしょうか。

幽霊や UFO の話と同じですが、不思議な話だというだけで終わるのは、とてももったい事です。

どうして、こうなるのだろうと考える事で、世界の姿が見えて来ます。

そこでの自分の立ち位置も、わかって来ます。

それは世界について、間違った考え方を、訂正する力になるでしょう。

自分がどのように生きるのか、という事を考え直す、きっかけにもなります。

いい夢でも悪い夢でも、夢について深く考えてみませんか。