夢の解釈 その1
夢とは何でしょう。
科学の世界でも、夢が何であるのかは、明確にされていません。
眠りにはレム睡眠と、ノンレム睡眠があります。
ノンレム睡眠は、意識が深く眠っている状態で、レム睡眠は、意識が覚醒に近い状態です。
夢はレム睡眠に見られると、以前は言われていました。
でも今は、ノンレム睡眠でも見られる事が、確かめられています。
レム睡眠の夢は、覚えている事が多いけれど、ノンレム睡眠の夢は、覚えていない事が多い。
それが両者の違いだそうです。
ところで、生まれつき目が見えない方の夢は、映像がなく、音や体感だけの夢だそうです。
一方、あとから目が見えなくなった方の場合は、映像の夢を見る事があると言います。
耳が聞こえない方の場合、やはり音がない、映像だけの夢だそうです。
実際の音の代わりに、漫画で出て来る、ゴーンなどの音を表す文字が、見えるという人がいるそうです。
でも全ての人が、そうなのかはわかりません。
これらの事を考えると、夢に出て来る映像や声などは、自分が体験した記憶情報の中から、選び出されたものと、言えるかも知れません。
体験した事のない感覚情報は、夢には現れないという事です。
では、そういった情報で構成された夢には、何か意味があるのでしょうか。
夢の解釈には、いろいろあります。
科学的理解としては、日常生活における出来事や情報について、整理するために夢を見ていると、されているようです。
そうは言っても、絶対にそうだという事ではありません。
先に述べたように、夢の正体は謎なのです。
夢占いでは、夢に出て来た物を、何かのシンボルだと考えます。
たとえば、馬は人を乗せて走るので、運命や生命力を意味すると言います。
また、犬は親しい動物ですから、家族や友人を意味するそうです。
葬式や火事など、縁起が悪い夢を、いわゆる悪夢と呼びます。
しかし、同じ夢を逆夢と称して、よい事が起こる印と、受け止める事もあるようです。
死ぬ夢も、一見悪い夢のように思えます。
でも、生まれ変わりや人生の再出発と、考える事もできるのです。
夢には、いろいろな解釈の仕方があるようです。
でも、夢を見た本人が、解釈の仕方がわからなければ、夢に意味があったとしても、無意味と同じになってしまいます。
それに、夢で見た事が現実になるという、正夢というものがあります。
自分が死ぬ夢が、正夢だったらどうしようと、不安に思う人だっているはずです。
本当はいい意味かも知れないのに、悪く受け止めてしまうと、夢を見せる方も、困惑しそうですね。
そもそも夢に意味なんかないと、考える人もいるでしょう。
でも、それは違うと私は思います。
夢は実に不思議なものです。
私の経験で言えば、何か問題を抱えている時、それについての解決法を、夢は教えてくれるのです。
日常の意識では、何か問題が起こった時には、自分は間違っていないと、考えがちです。
自分の理屈、自分の考えを基準にして、どう考えたって相手が悪いと、結論を出すのです。
それで気持ちがすっきりすれば、それでいいのですが、実際はもやもやが残るものです。
でも、自分は間違っていない。
相手が悪いのだから、相手がつらい思いをしたって、それは仕方がない。
そんな風に、自分を納得させて寝ても、夢は違う答を、示してくれるのです。
朝起きた時の夢を、覚えている事が多いと思いますが、実際には一晩の間に、何度も夢を見ているようです。
深い示唆を示す夢の場合、夜中に何度も目が覚めて、その都度、違う夢を見るのです。
一見、それぞれの夢は、バラバラで関係のないように見えます。
でも、その夢が伝えようとしている事を理解すれば、それらの夢には、つながりがあるとわかります。
物語のように、起承転結があるのです。
初めの夢は、自分の悩みや問題を、示しています。
ああ、あんな事があったから、こんな夢を見たんだな、という感じです。
でも、次の夢は別の角度から、その問題を眺めるような内容でした。
登場人物や舞台などは、初めの夢とは、全然別です。
しかし、夢の内容を考えると、そういう夢なのです。
その次の夢は、本当にその結論でいいのかと、問いかけるような夢です。
自分にとって、本当に大切なのは、自分が正しいという事なのかと、問われるのですね。
直接聞くのでは、ありません。
そのように自問させられるような、内容なのです。
最後に見る夢では、自分の心の奥底にある、本当に大切な想いが、引き出されるのです。
それは相手に対する、思いやりの気持ちです。
実は、自分が正しいかどうかなど、どうでもいい事なのです。
そんな事はわかっていたのです。
しかし意地になって、相手を責める事や、自分の立場を守る事に、意識の焦点を合わせていたわけです。
でもそれは、自分の本音ではありませんから、どこかもやもやした気持ちになっていたのですね。
そんな事を、目覚めている時に、誰かに指摘されたなら、きっと反発していたでしょう。
しかし夢によって、自分の本音を突きつけられると、逆らう事ができません。
私は自分がどうすべきなのかを、夢に教えられました。
夢とは、そのようなものなのです。