取り残された感じ その1
世間から自分だけが、取り残されているように、感じたことはありませんか。
みんなはどんどん先へ進んでいるのに、自分だけが前に進めていないような、そんな気分になったことは、ありませんか。
学校の授業が理解できないのに、先生はどんどん先へ進んでしまう。
クラスメイトたちは黙って、鉛筆を持った手を動かしている。
理解できていないのは、自分だけのようだ。
他の子たちと違って、自分は頭が悪いんだ。
みんなは受験もうまく行くだろう。
でも、自分はどこにも行けないかも知れない。
こんな事を考えた方は、いませんか。
同じようなことは、何かの理由で、学校に行けなくなった人にも、言えると思います。
特に学校へ行っていない人は、自分がいる空間自体が、みんなとは違います。
そのことは余計に、自分はみんなと違うという、不安な気持ちにさせるでしょう。
結婚して家庭に入り、専業主婦になった人。
親の介護のために、仕事を辞めて家にいる人。
こういう人たちも、取り残された気持ちに、なりやすいと思います。
世の中はどんどん動いて、他の人はいろんな知識やスキルを、身に着けている。
それなのに、自分は何もできていないと、焦るかも知れません。
仕事を辞めないで続けていれば、今頃はどうなっていただろうか。
同僚たちは、今頃出世しているだろうか。
そんな事をつい考えてしまうと、ちょっぴり悲しくなるかも知れません。
だけど、もう一度働いてみようかと考えても、もう昔のようには若くない。
仕事を離れている間に、どんどん新しいことが、入って来ているはずだ。
恐らく自分は、それについて行けないだろう。
年齢もそれなりだし、若い者と競争して、勝ち残る自信なんかない。
だからと言って、このままだと自分が、どんどん朽ちて行くようで、せつなくなる。
そんな風に考えてしまう人も、いるのではないでしょうか。
仕事一筋で頑張って来た。
それなりにスキルもついたし、収入もまずまずだ。
でも、そのために犠牲にして来たことがある。
周囲を見ると、自分の知り合いはみんな、結婚して家庭を持っている。
独身なのは、自分だけだ。
このまま歳を取っても、自分は独りぼっち。
暖かい家庭がうらやましい。
婚活でもしてみようか。
でも、求められるのは若い人ばかり。
この歳では、無理かも知れない。
スポーツで食べて行こうと、必死に練習をして、頑張って来た。
だけど、上には上がいて、どんなにあがいた所で、自分に勝ち目はない。
でも、自分にはこれしかない。
他のことなんか、何もして来なかった。
だから、これで行くしかない。
もっと頑張るしかないけど、自分が選ばれることはない。
ここで認められなければ、どうしようもない。
そうなれば、世の中に自分の居場所なんて、見つからないだろう。
他にも自分が世間から、取り残されたと感じる人は、いると思います。
自分の力ではどうしようもなくて、自分の無力さを、情けなく思うばかりに、なってしまうかも知れません。
でも、はっきり申し上げましょう。
誰一人として、取り残されたりしていません。
自分でそう感じているだけで、実際には、そんなことはないのです。