存在する価値 その1
自分なんかに価値はない。
そう思う人は、意外に多いのではないでしょうか。
今はそうは思っていないけど、かつて、そう考えた事がある。
そんな人も、結構いると思います。
これまで一度も、そんな風に考えたことが、ない人もいるでしょう。
しかし、思いもしなかった挫折感や、孤独感を味わうと、どうでしょうか。
自分には価値がないかも知れないと、考えるかも知れません。
もし今あなたが、自分には価値がないと感じていたならば、ちょっと考えてみて下さい。
その価値というものは、何を基準に決めているのかという事を。
価値を決める時には、必ず何らかの基準が、必要となります。
たとえば、一等地と呼ばれる、土地の値段が高いのは、その土地の需要度が高いからです。
しかし、その地域が一等地でなくなれば、同じ土地なのに、一気に価格が下がるでしょう。
つまり、土地の価値が下がったわけです。
この場合、価値の基準は、土地の需要度にあります。
でも、その場所で何かをしたい、その土地が欲しい、という人にとっては、その土地はとても価値があるわけです。
一等地を前提にした需要ではなく、個人的な需要が、この場合の価値の基準になるのです。
コロナ騒ぎで仕事を失ったり、活躍の場がなくなった人たちが、自分にはもう価値がないのではないかと、考えているようです。
公の場所で活躍できるからこそ、自分に価値がある。
お金を稼げるからこそ、自分に価値がある。
そう考えてしまうと、それができなくなった時に、自分には価値がないと思います。
また、こういう価値観に従えば、コロナ騒ぎがなかったとしても、病気や怪我で仕事ができなくなれば、やはり自分に価値がないと考えます。
世の中には、お金を稼げない人や、人々の注目を浴びる事がない人が、たくさんいます。
そういう人たちが、世の中の人間の、大半を占めているのでは、ないでしょうか。
もし、そういう人たちに、自分には価値がないのだと訴えられたら、何と答えるでしょうか。
ほんとですね、あなたには価値がないですね、と答えますか。
そうではないですよね。
その人に、どんな価値があるのかを、懸命に見つけて、教えてあげようとするでしょう。
それなのに、自分の心が同じ訴えをした時には、そんなことないよとは、言いませんよね。
でも、同じ事なのです。
そんな事ないよ、あなたには十分価値があるんだよ、と自信を失くした自分を、励ませばいいのです。
他の人にしてあげるように、どれほど自分に価値があるのか、自分に寄り添う気持ちで、考えてみましょう。
そうすれば、それまでの自分が気がつかなかった、本当の自分の価値というものが、見えて来るはずです。
それは、活動を再開できるようになってからも、自分にとっての宝物になるでしょう。