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前を向こう その6

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目の前に置かれた状況が何であれ、そこには元々はいいも悪いもありません。

いいか悪いかを決めるのは、人間であり、あなた自身なのです。

何がよくて、何が悪いのかを決めるためには、基準が必要になります。

基準がなければ、いいも悪いも決められません。

この基準をどこに取るかで、対象となるものは、いいものにもなれば、悪いものにもなるのです。

今、自分が置かれている状況が、とても悪いもので、それで前に進めないのだとすれば、まずは、それが本当に前なのかどうかを、確かめてみましょう。

そのためには、自分が何を求めているのか、自分が本当に目指しているのは、どんなものなのかを、明らかにする必要があります。

たとえば、営業成績の一位を目指し、実際に一位を取って表彰されることがあったとしましょう。

誰よりもたくさんの契約を取り、みんなに注目されることが心地よくて、そのあとも、それを維持することを目的にしているとします。

でも、上位の成績を維持することは、容易ではありません。

営業とは相手があってのことですし、環境の変化も影響します。

また上位を狙うライバルは、いくらでもいます。

それでもトップに立ち続けたくて、そのことを一番の目標にした結果、お客を騙すような契約を取ってしまったとします。

一度やってしまえば、同じことを当たり前のように繰り返します。

また、他のライバルたちの邪魔をするべく、こっそりとライバルの悪い噂を、お客に伝えることもしたとしましょう。

でも、悪いことを隠し続けることはできません。

そんなことを続けていると、ある日、全てが露呈することになり、その人はその職場にいられなくなるでしょう。

元の同僚たちからも白い目を向けられ、かつては自分を信頼してくれていたはずの人々にも、相手にされなくなってしまいます。

家族からも見放され、独りぼっちになった時、その人の頭の中には、まだ将来が決まっていなかった頃の、仲間と楽しく騒いでいた思い出が蘇ります。

ああ、あの時はよかったなぁ。
あの時に戻れるものならば、戻ってやり直したいなぁ。

こんな風に考える時、自分はもうだめだと、人生にあきらめを感じているのです。

それでも、そんな状況の中での誰かとの出会いとか、思いがけないような出来事との遭遇が、その人を復活へ導いてくれたりもするのです。

もちろん、その復活とは営業成績トップということではありません。

その人が本当に求めていた人生へ、復帰できるということです。