水を得た魚 その1
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魚を水から出すと、泳ぐことができず、ぴちぴちと藻掻くようにはねます。
放っておくと、呼吸もできませんから、死んでしまいます。
でも、そうなる前に水に戻されると、やったぁ! という感じで、水の中を素早く泳ぎ回ります。
水を得た魚というのは、そんな魚の様子を表しているのですが、同じようなことは、人間にも言えるわけです。
今のあなたが魚だと考えたなら、あなたは水の中にいるでしょうか。
水から引き上げられて、まな板の上で、さばかれる運命にあるのだとすれば、それはつらいことです。
水の中にいると思っていても、その水が自分に合っていなければ、生きていけません。
水だと思っていたら、水ではない液体なのかもしれません。
でも、それがあなたの水だと思い込まされて、そこで弱って行くのも仕方がないこととあきらめさせられて、いいようにされていませんか。
あるいは、水は水なんだけれども、そこは狭い水槽か、ちっちゃなバケツの中だとすれば、生きてはいても、自由に動き回ることができません。
自然の魚は、自分に合った水の中で、自由にのびのびと泳ぎ回るものです。
もちろん、自然の中には、様々な脅威がありますが、魚はそれを生き延びる力を、身に着けて行くのです。
脅威が怖くて、誰かの世話になりながら、水槽の中で生きるのも、一つの生き方だとは思います。
でも、それで本来の活き活きとした生き方ができるのかと言うと、そうではありません。
それは、ただ生きながらえているというというだけに過ぎないのです。
たとえ、生きる期間が長くなかったとしても、魚らしく生きて生涯を全うすることが、魚にとっては本望ではないでしょうか。
そして、それは人間にも言えることなのです。